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投稿者:H.N - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドロシー・L・セイヤーズの描き出した探偵として有名なピーター・デス・ブレドン・ウィムジー卿の短編を集めた一冊です。
トリックなどは現在の目で見てしまえば浅く見えるものが多く、その代わりといっては何ですが貴族探偵の異名を持つ主人公は我々が普段見られない世界をのぞかせてくれます。当時の貴族の風俗の雰囲気を味わうだけでも十分お腹は一杯になりますが、デザートが欲しくなるのもまた事実、やはり長編ほどの深い味わいはありません。
古きよき時代の雰囲気を手軽に味わいたいときにはよいのではないでしょうか。
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ピーター卿シリーズの短編集。
幽霊譚(に見える)不可解な事件をピーター卿が解くというパターンが多い。
昔のミステリはこういうの多いね。流行ったのかな。
個人的には「不和の種、小さな村のメロドラマ」が面白かった。稀覯本の図書室が出てくるし(笑)
刊行順ではこれが最初なんだけど、ピーター卿の子供が産まれる話なども入っているので、
これからシリーズを読もうとする人には楽しみ大幅に減。俺もこれが2冊目だったのに。
そんなわけで、まずは第一長編の『誰の死体?』から読むべし。
しかし、一番のがっかりはバンターが出てこないこと。やっぱ彼が出てこないとな。
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ユーモアと教養に満ち溢れた会話、計算された展開、奇妙で気を惹く謎と合理的な解決とピーター卿の事件の良い特徴が前面に出てる。読んでて楽しいしすらすら読める。多少探偵小説的(手掛かりが全部明かされない)感じも受けたけど気にならないくらいに内容が面白いのでまあいいんじゃないかな。「ピーター・ウィムジー卿の奇怪な失踪」「幽霊に憑かれた巡査」「不和の種、小さな村のメロドラマ」が好き。
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高校生?のはず(大学生かも…。
「ホームズの次はピーター卿だ! かっこいい!」と思ったのもつかの間、
短編2作目で、既婚者だと知ってがっくりした思い出が。
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①
ガーキンがね、かわいいです。
ピーター卿とハリエットのその後、なんてのも、いいです。
でも、この本買った頃は、はっきり言ってどーでもよかった。ずるずるとシリーズを読んでいくうちに、「「雲なす証言」あたりではまったんだったか、「ナイン・テイラーズ」あたりではまったんだったか。
イギリスに、はまるあまり、ヒストリカル・ロマンスにまで手を出して・・・。そうか、ここら辺が転落の第一歩だったか。
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ピーター卿シリーズの短編集。古典ミステリの名作を「シャーロック・ホームズのライヴァルたち」と銘打って紹介するシリーズ。
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短編集。ハリエットさんちょい出番あり。バンター出番なし。
この短編集内でのハリエットさんの立ち位置を知ってしまうと今後のお楽しみ半減なので、この短編集を初読みするのは他の長編を先に読んでからの方が良いのかなぁ。たぶんそうだろうなぁ。
訳者が上手なのか、原文が上手いのか、ピーター卿モノは海外古典の中では非常に読みやすい。
英語力がアップしたらいつか原書でトライしたい作家です。
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ピーター卿の活躍する短編集。何気ないことからはじまる謎解きが多く、短編ならではのお楽しみ。
巻末にウィムジー卿の経歴紹介と、セイヤーズについての解説が添えられていてそれもまた楽しい。 (2002-01-19)
[鏡の映像] 夢遊病で意識のないうちに何をしているのかと悩む男の話を聞いてやったピーター卿。とうとう殺人の罪に問われることになった男だが、その話からピーター卿は驚きの事実を指摘する・・・。
今となってはミステリィの中では使い古されたネタと言ってもいいかな(笑)
[ピーター・ウィムジー卿の奇怪な失踪] またもある男の話から、残虐な企みを知るピーター卿。芝居がかった演出で、捕らわれの女性を救出する…。真相はあまりに残虐。
収録作品 [鏡の映像] [ピーター・ウィムジー卿の奇怪な失踪] [盗まれた胃袋] [完全アリバイ] [銅の指を持つ男の悲惨な話] [幽霊に憑かれた巡査] [不和の種、小さな村のメロドラマ]
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かなり不思議な謎が提示されるが、真相の一部に関しては予想しやすい話が多い。
しかしながら、それぞれ工夫があって、面白い。
「鏡の映像」
これだけ「世にも不思議な物語」の真相は、これしかないだろう。
「ピーター・ウィムジー卿の奇怪な失踪」
話が急に切り替わるところがある。そこがちょっとわかりにくい。
「盗まれた胃袋」
胃袋を遺産として残した男の謎。
「完全アリバイ」
アリバイトリックの方法に関しては概ね予想どおり。
「銅の指を持つ男の悲惨な話」
マリアの身体的特徴がうまく真相に活かされている。
「幽霊に憑かれた巡査」
このようなトリックで、本当に人をだますことができるのか、疑問ではあるが。
「不和の種、小さな村のメロドラマ」
ピーター卿はある人物に利用されそうになるが、……。
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セイヤーズ初体験である。
本作は当初 “シャーロック・ホームズのライヴァルたち”と銘打った東京創元社の企画物の1つで独自で編んだ短編集であったらしい。それが長年に渡って繰り広げられ、そして今も継続中のセイヤーズ完訳の第一歩となるとは不思議なものである。
正直な感想を云えば、驚きました。
島田荘司氏が本格の定義として提唱している「冒頭の怪奇的・幻想的な謎、そして後半の論理的解明」を正に実践しており、こんな本格が過去、西洋にあったのかと再認識させられた次第。ドッペルゲンガーに悪霊憑き、そして首のない馬車とゴシック風味満載である。色々読みこなした現代においてはそれらの結末は想像の範疇で瞠目させられるものではないにしろ、これほどのものがまだあったことが素直に嬉しい。
全体的に好印象だった。