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みんなのレビュー5件

みんなの評価4.9

評価内訳

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5 件中 1 件~ 5 件を表示

紙の本

命の物語を語り聞かせる本

2010/06/28 21:53

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る

『びりっかすの子ねこ』で、エイラの翻訳者である
中村妙子さんに「再会」した。

やさしい語だけを使っても、翻訳文のリズムの良さが、
お話の世界に引き込んでくれることを再発見した。

高校時代にエイラを読んでいた時は、
何も考えずにお話の世界にそのまま飛び込んで行っていたので、
翻訳文のリズムには気づいていなかったのだ。

エイラの再読は、なかなかチャレンジできないでいるが、
短いお話を読んだら、このリズム感をまた味わえるような気がした。

そこで、中村妙子さんの翻訳つながりでたどり着いたのが本書である。

ねこの作品でもあり、私がずっと向き合ってきたテーマを描いた絵本でもあるから。

『ぼくはねこのバーニーがだいすきだった』の原題は、
"The Tenth Good Thing About Barney"である。

  ぼくの だいすきな ねこの バーニー、

  きんようびに しんじゃった。

  ぼく、とっても かなしかった。

  ないて、テレビも みなかった。

  ないて、ないて、ゆうごはんも、たべなかった。

  とりにくの ごちそうも、チョコレート・プディングも、

  みんな のこした。ベッドに はいってから、また ないた。

これが冒頭部分だが、ペットの死を描く重いテーマであるにもかかわらず、
語り聞かせをしてしまいたくなるリズムの良さだ。

絵をゆっくりゆっくり眺めるような情景が浮かぶような本なら、
親子で読むにしても一緒に黙読が良いなんて無茶なことを思ってしまうことがある。

だが、本書は、最初のページで音が聞こえる。

日本語としての心地良い響きや音の長さ、繰り返しを意識しながら、
英語でよく使う韻を日本語にも踏ませているようなリズム感がある。

だから、語り聞かせ向きなのだと思った。

「読み聞かせ」というよりも、「語り聞かせ」という言葉が浮かんできた。

読み聞かせのとき、読み手の意識は本に向かうけれど、
本書はむしろ、本を聞かせたい対象の子どもに意識を向けて、
語りかけるような感じがぴったりするかもしれないと思ったからだ。

声のボリュームは、小さめでよいように思う。

本も小さめなのは、きっと読み手と聞き手の距離は極々近くで、
声も小さめで、大切な宝物を手渡すように、語るからだと思った。

かあさんは、ぼくに、あしたバーニーのおそうしきをしようと言う。

  「だから、バーニーの いいところを 十、おもいだして

  ごらん。おそうしきで みんなに はなせるように。」

原題が、"The Tenth Good Thing About Barney"なのはこのためだ。

ぼくは、いっしょうけんめい考えるけれど、
バーニーのいいところを九つだけ思い出し、
十番目を考えているうちにねむってしまう。

おそうしきのときも九つしか言えなかった。

この九つは、きっとねことともに暮らしたことのある人なら多くが経験していることだ。

でも、それがぼくの言葉で改めて語られると、
本書では生きた姿がこのぼくの言葉と絵でしか出てこない
バーニーがとても存在感を持ってくる。

  「もう一つは、あとで おもいだすよ。」

おそうしきのあと、ぼくは、となりのアニーとバーニーの話をする。

  「バーニーは、てんごくで なかまの ねこや てんしたちと、

  いまごろ クリームを なめてるわ。かんづめの まぐろも

  たべているかもね。」

アニーはこう言った。。

こういった見方は、特定の宗教を信じていなくても、
わりと受け入れられるのではないだろうか。

死を受け入れようとするとき、
事実を和らげようとするときに思うことかもしれない。

でも、ぼくは、こう言う。

  「バーニーは、じめんの なかさ。」

ぼくは、そのまんま事実を理解しようとするのだ。

「てんごく」か「じめんの なか」かで、アニーとぼくはけんかになってしまう。

そこにやってくるのが、とうさんだ。

とうさんは、「てんごくのこと、あまり よく しらないんでね」といい、
アニーのいうことを特に否定はしないが、肯定もしない。

アニーのとらえ方も、ぼくのとらえ方も、尊重したのだと思う。

そして、ぼくに、「にわしごとを てつだうかい?」と聞く。

これは、ぼくの気持ちを聞くための、とうさんなりの自然な行動なのだと思う。

「にわしごと」を介在したことにより、ぼくはとうさんに本当の気持ちが言えて、
とうさんも息子に大切なメッセージを伝えることができたのである。

とうさんの言葉からぼくは自分で考える。

考えてぼくなりに気づくのだ。

その気づきを補強させる形で、最後にとうさんがぼくに伝えるその言葉は、
生と死、そして、すべての命に対する尊敬の念の現れである。

すべてやさしい言葉なのだが、命の本質を語っている。

引用を取りたいところだが、この言葉は、全体の中でこそ輝くから
ここには書かないことにする。

ぜひ本書を手に取り、「語り聞かせ」の中で、
あなたの言葉で、子どもに伝えてほしい。

子どもは、子どもなりに考えて、命の不思議を知っていくだろう。

本書の最後に訪れた感動と同じことが本書の語り聞かせを通して、
実際にも起こりうるのではないかと思うのだ。

「バーニーの いいところを 十、おもいだして ごらん」と言い、
そして、最後に息子からのメッセージを受け取ることになるかあさん。

にわしごとを通して、簡素な言葉で命の本質を語るとうさん。

ちがった役割を果たしたこの両親のバランスの取り方が絶妙だと感じた。

ペン画の挿絵が静かな存在感を持つのも特徴だ。

本文の最後のページ、そして、
裏表紙のバーニーのしっぽを立てた後姿が印象的である。

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紙の本

子どもの視点で「死」について考えてみませんか?

2000/11/16 09:52

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かれん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 大好きなネコのバーニーが死に、悲しみにうちひしがれているぼく。
ペットの死によって、初めて「死」の意味を知る子どもたちも多いのではないでしょうか?

 バーニーの良い所をお葬式で10 言うようにとお母さんは言います。
でも、「ぼく」は9つしか見つけられませんでした。
アニーは、「バーニーは天国へ行った。」と言うけど、「土の中だ。」と言い張るぼく。
実際、バーニーの亡骸は土の中に埋めました。
それに、生きている者は、誰も天国に行ったことはありません。
私たちが、『バーニーは、こうしていたら幸せだ』という願いが天国なのかもしれませんね。
「ぼく」の言葉に、つい考えさせれてしまいました。

 土の中でバーニーは、木や花を育てる手伝いをします。
『葉っぱのフレディ いのちの旅』にちょっと似ています。
バーニーの最後の良いところはこれ。死んでからも頑張っているね。

 東京書籍版「新しい国語3年」にこのお話は掲載してあります。

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2004/12/11 03:03

投稿元:ブクログ

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2007/02/04 19:18

投稿元:ブクログ

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2010/07/18 18:07

投稿元:ブクログ

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