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源平絵巻物語 第7巻 壇の浦のたたかい みんなのレビュー
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紙の本
義経を美化することなく語り描かれた『壇の浦のたたかい』、戦いは後代までその哀しみを残すことを教えられる絵本です。
2005/01/09 10:51
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投稿者:まざあぐうす - この投稿者のレビュー一覧を見る
幼い息子と読んだ源平絵巻物語全10巻ですが、第7巻は、平氏が滅亡したことで有名な『壇の浦のたたかい』です。源平絵巻物語は、源義経を中心に語られ、描かれた物語、今西祐行さんの誠実で、優雅な語りと日本画家の赤羽末吉さんの美しく、鮮やかな絵の中に義経の生涯が見事に甦っています。
わずか300そうの船で500そうもの船を持つ平氏に打ち勝った義経の勝因は、潮流を上手く利用したことにあると言われています。今西祐行さんと赤羽末吉さんは、源平ゆかりの土地を実際に訪れて、当時の様子を偲んでいます。
水軍にたけた平氏との海での戦いです。義経の「八そうとび」の逸話は出てきませんが、味方の船から敵の船に飛び、乗り移って戦う義経の姿が勇ましく描かれています。
義経を中心に書かれた物語とは言え、赤羽末吉さんも今西祐行さんも義経だけを美化することなく、平氏の最期の姿の優美さを描き、語り尽くしている点に感動を覚えます。
二位の尼が八歳の安徳天皇を抱いて海に飛び込む場面、「…ほかの都へまいりましょう。波のそこにも、都はございます。」という二位の尼の優美で信心深い人柄が偲ばれます。
二位の尼と安徳天皇に続いて、平家の大将知盛が船の碇をかついで飛び込む場面、「もし、わしがうきあがったら、かまわぬ、弓でいころせ。」と最期の言葉を残す知盛の武家の大将としての誇りが感じられます。顔色が青ざめていながらも、無念さの中に勇ましさを秘めた知盛の姿が大きく描かれています。夕日に照らされた海に浮かぶ女官たちの衣、「まるでもみじのながれる秋の川のようでした。」との語りが見事です。
落人の部落、熊本の五箇荘の山々が幽玄に描かれています。「と呼ばれる、そんな村が、日本のいたるところに、いまものこっています。」という語りに、戦いは後代まで、その哀しみを残すことを教えられたような気がします。幼いお子さんから大人までお勧めの絵本です。
まざあぐうすの「ほのぼの文庫」は、こちらです。
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