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源平絵巻物語 第8巻 静御前

源平絵巻物語 第8巻 静御前 みんなのレビュー

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紙の本

『静御前』は、源平絵巻物語全十巻の中で最も美しい物語です。

2005/01/20 18:01

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投稿者:まざあぐうす - この投稿者のレビュー一覧を見る

源義経を中心に描き、語られた源平絵巻物語第八巻『静御前』は、義経の妻であり、義経を一途に慕いながら貞淑に生き、若くして亡くなった女性の静御前の物語です。
 判官びいきという言葉があるように、源義経は日本人に最も愛されている歴史上の人物ですが、その妻、静御前もまた日本人が理想とする女性の一人です。『義経記』や『平家物語』、『吾妻鏡』に静御前のことが記されています。

 第八巻は、一の谷の戦いを終えて都に戻った義経が静御前と出会うくだりから始まります。その年の夏、都は雨の降らない日が続き、雨乞いの舞の会が行われることになりました。静は、その舞姫の一人でした。99人の舞姫が舞っても何の効き目もありませんでしたが、静が舞い始めると、滝のような雨が降り始めました。
 義経の母である常盤御前は1000人の中から選ばれた美しい女性の一人と言われていますが、静も100人の舞姫の中から選ばれた「日本一の舞姫」と後の世にまで名を残すほどの美しい女性です。都の干天に雨をもたらす神秘的な力の持ち主であったとも言い伝えられています。

 義経は、静の舞いを見て、一目で気に入ったようです。
 屋島の戦い、壇ノ浦の戦いを終え、都に戻ってきた義経は、すぐに静を妻としました。その後の土佐房の夜討ちの時の静御前のけなげな働き、義経とともに都落ちして捕らえられ鎌倉に送られたこと、八幡宮の頼朝の前で義経を偲ぶ舞を舞ったことなど静御前の義経への一途な思いと健気な生き様が語られています。
 
 源平絵巻物語全十巻の中で、最も美しい絵物語ではないでしょうか。義経と静御前のふたりの姿が気高く、美しく描かれています。また、静御前の一途な愛を通して、義経という人物の魅力が感じられます。
 
 吉野山 みねの白雪 ふみわけて
 いりにし人の あとぞ こいしき
 しずやしず しずのおだまき くりかえし
 むかしをいまに なすよしもがな
 
 美しい歌とともに義経を偲び、頼朝の前で舞った静御前の姿をとても美しいと感じました。義経の悲しい末路を飾るにふさわしい歌と舞であったのではないでしょうか。
 
 赤羽末吉さんの美しい絵と今西祐行さんの誠実な語りによる源平絵巻物語第八巻『静御前』を通して、静御前の武士の妻としての生き様の潔さを感じてみませんか。

まざあ・ぐうすの「ほのぼの文庫」は、こちらです。

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