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(2005.05.28読了)(2004.07.19購入)
レオナルド・ダ・ヴィンチの小型の画集。30点ほどが紹介されている。
ローマのヴァティカン美術館、フィレンツェのウフィーツィ美術館、ミラノのサンタ・マリア・デレ・グラーツィエ教会、パリのルーブル美術館、ロンドンのナショナル・ギャラリー、レニングラード(サンクト・ペテルブルグ)のエルミタージュ美術館、等をかつて見て歩いたので、大部分の作品は見ている。日本で開催された、モナ・リザの展覧会、国立科学博物館でのダ・ヴィンチ展、横浜美術館での「白貂を抱く婦人」も見せてもらった。
ヴェロッキオの工房に14歳で入り、徒弟期間は6年ということなので、20歳で徒弟期間は終了する。その20歳の頃、先生の描いた「キリストの洗礼」の人物のうち天使を担当し、余りのうまさに、ヴェロッキオはそれ以後絵を描くのをやめたといういわく月の江も紹介されている。
レオナルドがたくさんの手記を書き残している事は、よく知られており、しかもその文字が鏡文字になっていることも有名で、なぜ鏡文字なのかという謎解きの本も幾つか出ている。手記にたくさんのスケッチも含まれている。実は、そのスケッチも左右逆に書かれているのではないかという話もある。そのことから、手記を銅板に写して印刷することを考えていたのではないかとも言われる。
東野さんは、見られるものから考えると見る人の目に映る像は、左右が逆転して映るので、鏡に映ったものこそ真実であることを伝えたかったのではないかといっている。
遺された手記デッサンの中に、男女が交合している状態を描いた解剖図があるけれど、僕みたいな素人からするとここまで書くか!と思うだけだけど、「女体の器官に過ちが見出される」のだそうです。過ちの原因は、「本能的な女体嫌悪」にある、と言われると嫌いなものを書くか?と思うけどどうであろうか?
●関連図書
「レオナルド=ダ=ヴィンチ鏡面文字の謎」高津道昭著、新潮選書、1990.08.20
著者 東野芳明
1954年 東京大学文学部美学科卒業
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作品(解説 東野芳明)
鏡と水の論理 レオナルド・ダ・ヴィンチの人と作品(東野芳明)
年表=レオナルド・ダ・ヴィンチとその時代
(目次より)
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『201209 美術強化月間』
レオナルドの作品ないしはなんらかの形で関わっていると思われる作品の代表的なものを掲載。
最後に筆者のレオナルド論も展開されていて面白い。ボリューム的にも肩が凝らなくていい。