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みんなのレビュー7件

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7 件中 1 件~ 7 件を表示

紙の本

滅び行く牢人たちの物語

2007/01/28 11:09

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 由井正雪。徳川三代将軍家光没後の政情不安の時期におきた、不平浪士らによる幕府転覆を計った慶安の変の首謀者とされる軍学者。
 日本史の教科書では、この人物と事件についてはその程度の情報しかあたえられていないし、その歴史的な意味についてもあいまいであるが、本書では、事件を主家の改易・とりつぶし等で扶持を失った牢人の観点から描くことにより、時代の変わり目で没落してゆく人々の必死の抵抗としての意義をそれにあたえている。
 江戸初期において多くの大名が改易・とりつぶしをうけた結果、牢人の数は膨大なものとなった。しかも幕府はそんな牢人たちの面倒を見るどころか、生計の糧を奪うことにより、彼らを社会的に抹殺しようとした。若き日に正雪が目撃したある光景は、その後の彼の生き方の原点となる。
 工事現場で、武士であるという理由で、賃金の支払いを拒まれた人夫がいた、男は自分が牢人であり、生活のためには土方もやらねばならない、自分には女房子供もいるのだと主張するが、聞き入れられなかった。幕府から、武士は働かせてはならないという触れがあったからである。食い扶持を奪われ、路頭に迷い、なおかつ生計を立てるために他の職業に就くことを禁じられるとは?!このように理不尽な社会のありさまは、正雪の胸に深く刻まれ、以後彼は、社会改革の理想を胸に秘めて生きることとなる。
 江戸において学問をきわめたのち、彼はさらなる修行を求めて旅に出る。そこで、一生行動をともにできる仲間と出会い、また将来の軍資金となる財宝も手に入れる。その後起こった島原の乱において彼は幕府重臣の松平信綱を説き伏せ、牢人部隊を結成して乱に当たろうとするが、逆に多くの同志を殺されてしまう。 江戸に戻り、莫大な資金をもとでに私塾を経営する一方で、北海道開拓など牢人の救済策を講じ、それを幕府にもはたらきかける正雪であったが、そのような運動や彼の周りに集まる人間たちの過激な行動は幕府に警戒心をいだかせ、ついに由井正雪は反逆のかどで切腹をさせられる。
 山本周五郎が史実にもとづいて書いた歴史小説は、他に『樅の木は残った』があるが、どちらも徳川幕府の極悪非道ぶりを描いている点では共通している。庶民の人情、風情を細やかに描くことの得意な山本だが、こと政治的な描写においては徹底した反権力主義をむき出しにするようだ。本書においてそれが顕著なのは、長年苦労して開墾した田畑を追われる下総の開拓民たちの決死の抵抗場面であろう。社会の多数を構成する勢力に刃向かい、非合理なまでの戦いをいどむ姿は、かつての左翼による階級闘争を思わせる。本書における反逆者たちを善、体制側を悪として描く単純な図式は、たとえば成田空港建設阻止をかかげた三里塚の人々の論理と、どこかしら似ている。思うにこの小説が書かれた1950年代は、革新的な政治思想が美化され、賞賛されていた時代である。権力者を忌み嫌い、愚弄することは一つのスタイルだったのかもしれない。
 それゆえ、史料の乏しいといわれるこの事件に関して、この小説がどれほど客観性をもったものかは疑問である。作者の山本が独自の解釈で、由井事件に当時の時代状況を投影させたとしてもまったく不思議ではない。無論、だからといってこの小説の価値が損なわれるものではないが、史実というものは、それをとらえる人間の主観や価値観によって、色づけされてしまうものだという常識的ではあるが、忘れがちなテーゼを改めて強く認識した。

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2011/02/24 00:07

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2010/11/04 23:09

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2013/08/31 22:33

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2011/02/07 14:35

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2016/10/05 09:06

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2008/11/27 19:45

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