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インテリなんてぶっ飛ばせ

2011/10/10 21:10

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

「ジョコンダの微笑」女の嫉妬、あるいは欲望というものに対するかなり直截的な皮肉ということか。それでいて見抜けず、逆らえず、振り回される男たちもまた現実の姿だ。女性の権利主張が強まった時代にこれが書かれたというのは、つまりどっちもどっちという皮肉か。インテリに見える女性でもそういった欲望があるのだというのも(当たり前のことではあるが)、当時への警鐘だろうか。誰もが狂気を持ちうるし、誰もが軽佻浮薄でありうることへの不安の噴出のようでもある。
「肖像画」いわゆる田舎成金な人物が見栄のためばかりに絵を買おうとするところに、画商がつけ込んでひと儲けしようという話。ちょっとした落語みたいな気の利いた構成で、最後の下げも うまく効いている。騙しているいるようでも、登場する人たちみんなが幸せになっている気もする。もちろんそれが資本主義の罠でもある。
「モノクル」片目用の眼鏡っていうんですか、アルセーヌ・ルパンがしてるような、あれですね。あれがなんかインテリの象徴みたいな気がして、カッコイイと思ってしまったわけです。それを着けることが誇らしいような、でもそう思う自分の気持ち自体が相当に気恥ずかしい。ああ、もうっ。しかし繊細な感傷も酒や女や挫折を繰り返して摩耗していく。青年、がんばれ。
「小さなメキシコ帽」イタリアの地方の伯爵家で、隠居してあとは放埒な生活を楽しもうという先代と、時代に合わせて事業を興そうというその息子。旅行者である語り手が、屋敷の壁画を売却しようという話に乗りながら、大戦を挟んでの彼ら変遷を観察する。なんのことはない話ではあるが、ファシズムとコミュニズムの波に洗われる中で、イギリス人には不可解とでもいうようなイタリア人の人生観が滲み出ている。この微妙な驚きを、嫌みにならないように表現する筆致が面白い。
以上4編、愛や冒険の物語ではないし(「ジョコンダの微笑」には主人公の妻の死を巡る推理サスペンス的印象はある)、上のように書くとある種の文明批評のようではあるが、一人の人間の内部にある混乱としても説得力がある。人間の直面する体験として、文明や世相の変化が逼迫したものとして捉えられているのだろう。そういう意味では(「素晴らしい新世界」の作者だからというわけでもないが)、H.G.ウェルズの系譜に連なる作家なのかもしれない。それにしては十分に肉感的で、文明と人間といった対比よりは、もっと神経に触るピリピリした部分を描いているようでもある。世界大戦を経て、文明が人にもたらす傷の深さを目の当りにした経験ゆえだろうか。

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