紙の本
江戸時代の偉大な俳諧師、松尾芭蕉の人物像を知る入門書です。
2020/04/10 08:55
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、江戸時代前期の俳諧師として、私たちも名前だけはよく知っている松尾芭蕉について、その俳諧の特徴、また主著『奥の細道』の内容などを通して、理解しようという書です。同書によれば、松尾芭蕉という人物は、和歌の余興の言捨ての滑稽から始まり、滑稽や諧謔を主としていた俳諧を、蕉風と呼ばれる芸術性の極めて高い句風として確立し、後世では俳聖として世界的にも知られる、日本史上最高の俳諧師の一人である、ということです。そして、弟子の河合曾良を伴い、元禄2年3月27日(1689年5月16日)に江戸を立ち東北、北陸を巡って、岐阜の大垣まで旅し、その紀行を纏めた『奥の細道』には、松尾芭蕉が変わらない本質と流れ行く変化の両面を実感する「不易流行」に繋がる思考の基礎を獲得したことが如実に表現されている、とも述べられています。こうした偉大な俳諧師、松尾芭蕉の人物像を知る入門書です!
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松尾芭蕉の一生をさらっと紹介。
だいたいの流れが掴める感じなので、すごく便利。
文章が淡々としているので読みやすい。
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無性に奥の細道・・・というか芭蕉という人物が知りたくなり衝動買い・衝動読み
タイトルが示すとおり「芭蕉」という人間の生涯を時系列ごとに追い、
時々で彼の作風が(蕉風と呼ばれる)どのような契機で以って完成していったのかを辿っている。
郷里の伊賀から江戸へ一旗上げることを目論見、上京(当時は上京とはいわないのかも)
念願叶い、俳諧師として江戸でちょっとした売れっ子になる。
しかし謂わば流行の最先端に居る自分に嫌気が差し半隠居、
世間から外れたアウトサイダーとしての道を歩み始める。
当初は俄然肩肘張った反世俗的風情が滲み出る作品が
幾度もの旅と時を経るにつれ徐々に和らぎ、角が取れ一種の諦観を内包するようになる。
そして「奥の細道」旅行でその作風は完成される。
本の内容は言ってしまえばたいした事はない。
だが、そこかしこで取り上げられる芭蕉の俳句と著者の解釈が読者を飽きさせない。
この本を片手にのんびりと彼の辿った旅路を辿りながら俳句を味わってみたい気分にさせてくれる。
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もとはラジオか何かの公演だったそうです。
初心者にもわかりやすく、芭蕉の作品やその変遷を解説してくれています。
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松尾芭蕉の生涯と芭蕉が追い求めた人生や人間像、美を解する人間に対する理想と「人とはこう在れば美しいと思う」という芭蕉の考えを著者の井本氏の解釈も加えてわかりやすく噛み砕いて説明しています。
学校で習う以上に松尾芭蕉を知りたい方にオススメします。
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松尾芭蕉の生涯と、彼の追及した風雅の意義について解説している入門書です。
「俳諧師芭蕉」というタイトルで24回に渡って放送されたNHKラジオの番組をもとにしているとのことで、たいへん分かりやすく書かれています。
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松尾芭蕉の生涯と、作品、作風を分かりやすく語る本です。著者の芭蕉への深い共感とリスペクトに溢れています。芭蕉が死ぬまで求めて止まなかった俳諧への思いに打たれます。