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紙の本

幼少時代、中学生の思い出、そして今。

2012/03/10 22:30

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:お月見 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 佐藤さとるさんは私が小・中学校時代にもっとも愛読していた作家です。佐藤さんの作品もさることながら、ファンタジーについての評論・アンソロジーや解説も実に理路整然としていて、執筆作法に対しても真摯に語られていて、当時かなり影響を受けました。今でも幻想文学を読む時には、佐藤さんが定義した、「ファンタジーという形式の物語は、決してあいまいなとりとめのないようなものではなく、有り得ないことを、有り得たように創られた、手ごたえのある確かな世界である。」という解釈がベースにあります。決して絵空事を描くのではなく、リアリティが伴ってこその幻想世界。
 そして、ファンタジーと童話(メルヘン)は、リンクしている部分もあるけれど、童話は伝承やおとぎばなし、昔話の流れをくむものとしています。そしてこの本は佐藤さんが定義した童話・ファンタジーのアンソロジーで、あまんきみこさんや松谷みよ子さん、安房直子さんなどの短編が18編おさめられています。
 詳しくは、同アンソロジーの1巻の解説でわかりやく述べておられるのですが、今回は、2巻におさめられた佐藤春夫さんの「美しい町」を紹介したくて、2巻をチョイスしました。
 御曹司がその財力を利用して自分だけの美しい町を建設しようと企てる。そのたくらみに参加した若い画家と老年の建築家。当時、読んだ時は、川崎君も画家のE君もすごい大人の人に思えていたのに、まだ20代の前半だったのですね。E君は21歳ぐらいで、その2、3年前には展覧会に絵を出展して売買したりしている。昔の若者は精神年齢も大人だったのかしら。
 佐藤さんが解説で触れているように、「美しい町」は、佐藤さんの定義におけるファンタジーには厳密には該当しないのだけれど、そこから一歩先の非現実に踏み込むと、幻想世界への入り口になる。まさに空想の中の町を現実に実体化しようとする話のあらすじそのものが、ファンタジーの出発点であると述べておられます。
 久しぶりに読み返して、自分がなぜこんなにも幻想小説に惹かれるのか、ルーツがわかったような気がしました。

 私がまだ5歳ぐらいの頃の記憶なのですが・・・。歩けるようにはなったものの一人ではまだ遠くへ出かけられず、ましてや近くの川にかかった橋を一人で渡るなんてありえなかった。だけど一度でいいからその橋をわたって、向こう側の町を見てみたいと思っていました。そしていつかしら、川の向こうの町を自分ながらに想像して行った気になり、その町を夢にまで見ることもあったのです。次第に成長して、いつしか自由に川向こうの町に出かけられるほどになった時には、とっくにその空想の町のことは忘れていたのですが、中学生の時にこの本の「美しい町」を読んで、唐突にその記憶がよみがえったのでした。橋を渡った先には長い坂道があり、途中に花屋さん、雑貨屋さんなど、地図までくっきりと。(実際には川向こうに坂道も花屋もありませんでしたけど。)その時の、現実と空想がリンクしたような奇妙な快感が、今もファンタジーを好んで読むことに繋がっているような気がするのでした。
 残念ながらこの文庫は絶版ですが、「美しい町」は佐藤春夫さんの全集などにもおさめられているので、興味を持った方はぜひ読んでみて下さい。他にも、好きな作家の短編ファンタジーがたくさん収められているのですが、長くなりましたのでこの辺で。

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