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学問の戦中戦後。

2005/12/03 23:07

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:和田浦海岸 - この投稿者のレビュー一覧を見る

(読売新聞2005年11月15日夕刊の岡野弘彦氏の文章に感銘しました。その文に触れられていた、この本を読んでみました。)
昭和18年国学院の講堂で出陣学徒壮行会。
そこで、折口信夫の作られた壮行歌が代読で、朗読されます。
(以下本文から引用)
学問の道
国学の学徒の部隊(いくさ)
たたかひに 今し出で立つ。
国学の学徒は、若く
いさぎよき心興奮(ほこり)に、
白き頬 知識に照り
清きまみ 学に輝く。
いくさびと 皆かく若き
見つつ 我 涕(なみだ)流れぬ。
・・・・・・・・
学徒兵を送るためのその長歌が、「学問の道」という題であることが、まず私たちの心にすがすがしい緊張感を感じさせた。詩が中程まで読みすすめられてゆくうちに、講堂をうずめる学生の間に、感動を押さえかねた声にならぬうめきのような声がおこり、最後の反歌が読み終えられてのちも、その切迫した声のざわめきはしばらくやまなかった。
汝(な)が千人(ちたり) いくさに起(た)たば
学問は ここに廃(すた)れむ。
汝(いまし)らの千人の 一人
ひとりだに生きてしあらば、
国学は やがて興らむ。
ますら雄のわかるる時は、
いさぎよく わかるといふぞ。
汝(なれ)が手を 我に与へよ。
我(われ)が手を きしと 汝(な)はとれ。
国学の学徒は強し。
いでさらば、今は訣れむ
反歌
手の本をすててたたかふ身にしみて 恋(こほ)しかるらし。学問の道
この詩には、当時の私たちの心の底に沁みわたってくるような温かさがあった。小学生になった頃から、ひたすらな戦いへの傾斜の中で育ってきた私たちの世代であった。戦いの場に出てゆくことにいまさら何のためらいも感じはしなかったけれども・・折口先生の詩は、思っていても口に出すことを許されない、当時の私たちの哀しみの思いに、深く触れてくるものを持っていた。先生がこの詩のなかで、学問のためには、千人のうちのせめて一人だけでも、命を保って帰れという、このつつましやかな嘆きのことばを言われるのにも、当時としてはかなり勇気と自信の要ることであったはずだ。壮行会の翌日、われわれの教場へずかずかと入り込んで来た数人の上級生がいきなり、『昨日の折口教授の詩は脆弱である。』と、激しい口調で非難の演説をはじめたとき、私たちはそういうことのあるのを予期していた平静さで、その荒っぽい演説を聞くことができた。彼らが壇を下りるとき、拍手はほとんどおこらなかった。多くの若者の思いはみな同じであったのだ。
書道の先生・・の美しい仮名書きの手で浄書せられたこの詩の縮写写真を、われわれは一枚ずつ学校からもらって出征した。そういう計らいをしてくれる大学に、私はある信頼感を持つことができた。
(そして、作者岡野弘彦氏は、戦後この学校へもどってきます。さらに岡野氏は身近に接しながら折口信夫の亡くなるまでを辿ってゆくのです。この本の最後の方に折口信夫のこういう言葉も引用されております。)
「こんどの戦に敗れたことはいうまでもなく大きな不幸だった。だが、その後に、
棚から落ちてきたもののようにして偶然に日本人が得た自由は、それなりに尊いものだ。
しかし、それは日本人が苦労して得たものでないだけに根の浅いものだ。
うっかりしていると、また、不幸な時代がそばまで来ていたというようなことになるかもしれない。今のうちに、どんな時代になっても揺らぐことのない、真に力ある学問を身につけておくことだ。」
(学問を身につける公式はなく、ここには折口信夫と岡野弘彦の師弟の姿があるばかりなのでした。柳田國男と折口信夫の間柄も、当事者ならでは見識として読めました。)

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2006/08/10 16:36

投稿元:ブクログ

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2011/12/18 00:28

投稿元:ブクログ

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