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雑誌は編集長のもの、という定義をこの本で覚えました

2006/09/28 14:07

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:松井高志 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「文藝春秋」の名編集長であり、同社の社長でもあった池島信平さんの回顧録(昭和33年「中央公論」に連載)であり、代表的著作である。多分、編集者たるもの、これぐらいは読んでおかなければまずい本の一冊だろうと思われるが、かつて私が月刊誌編集者だったころ(バブル直前)、勤務先では、「早く老けこむので、本なんか読むんじゃない」ということが真顔で語られていたので、私はこの本を同僚に隠れて読み、さらにその後、とうとう我慢できなくなって勤務先を辞めた。
 その時以来の再読なのだが、前回気づかなかった面白い記述が新しくいくつかみつかった(章によって主語が「私」であったり「わたくし」であったりと、表記が揺れているが、多分私のような無教養な者には分からない何か深い理由があるのだろう。それはさておき)。
 まず、戦争中の出版統制について。当時は、現在のように校了してもそれで編集は一安心という時代ではなかった。それは軍の検閲があったからである。もし、誌面でコードに抵触する表現があるということになると、発売前であれば、編集部員たちが総出で製本所に駆けつけて、何十万部、山と積まれた雑誌から、問題箇所のあるページを人力でいちいち破り取っていたのだという。
 実はこれと同じような作業を、私もしたことがある。もう休刊した雑誌だからいわば「時効」なのだが、表紙の価格表示と奥付のそれが異なっていた(その月は附録がついて特別定価だったが、奥付をいつもの通り前号流用してしまったのであった)。これがどうも戦争中の軍の検閲に匹敵する事故だったらしく、社員の半分ほどが三月末の夜、薄ら寒い製本所に召集され、徹夜で奥付の定価表示をマジックで塗りつぶし続けたのだった。まるでタイタニック号の浸水をバケツでくみ出しているようなもんだな、とその時思ったものである。
 次に、著者が新人編集時代、昭和の政治家が侠客ものの講談本(国定忠治や大前田英五郎)を愛読しているのを嘆いて、「昔の伊藤博文は、宋の『名臣言行録』を愛読していた」と述べ、そこに古今の政治家の気品の違いがある、と言った点である。すでにこのあたりで、講談はエリート(総合雑誌の編集者やその読者といった、著者のいう「中流」層)から軽んじられ、見下されていて、芸能として凋落しかけていたことが看取できる。著者がこう書いてから70年経って、今や、「名将言行録」はおろか、下世話でくだらない大衆文化だったはずの講談の内容すら、いい大人に聞いてもほとんど分からない時代になってしまった。
 文学といい、教養といい、まだ若い人が素朴にまっとうにその力を信じていられた幸福な時代に書かれた回顧録であるといえる。

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