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紙の本

深刻な時ほどなぜか可笑しい場合はありませんか?

2006/04/01 00:03

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kokusuda - この投稿者のレビュー一覧を見る

PF(ポリティカル・フィクション)というジャンルの作品です。
このPFは「政治小説」と訳されますが、
「もし〜だったら?」という仮定を扱うことでSFにも分類されます。
「どらエモン」などに登場することがありますね。

物語はアメリカ海軍の原子力潜水艦“ライオン号”で始まります。
北極海で防衛任務についていたのですが、
副艦長のブラウン少佐が口論の末に艦長を殺してしまいました。
これが上層部に知られたら大変です。
「軍法裁判で死刑になってしまう!」
幸いにもライオン号は北極海の厚い氷の下に潜っている。
本国と連絡が取れるのは数ヶ月も先だ。
この間に対策を考え出さねば、、、。
あせったブラウン少佐が考え出したのは「海賊」でした。
潜水艦に積んである核ミサイルをネタにアメリカを脅すのだ。
といっても俗人のブラウン少佐ですから、大金と酒と女を
アメリカ海軍に用意させるだけなんですが、、、(笑

この後はブラウン少佐の要求がエスカレートしていくは、
政府関係者はオロオロするだけだは、
売名に利用しようとする女優は出てくるは、
真似して核ミサイル基地を乗っ取る救世主気取りの中佐が出るは、
ナチスの残党が核ミサイルを奪ってヨーロッパを脅すは、
あげくの果てに名前も知られぬアフリカの小国が、
核ミサイルを入手して米ソを相手に世界を要求するは、、、。

キューバ危機(知ってますよね?)の後、
世界的な核軍縮が進みますが実際はどうなんでしょうね?
核兵器の力を盾に世界へ要求する話は多いですね。
古くは「博士の異常な愛情」(「破滅への2時間」)、
マンガでは「沈黙の艦隊」などもそうでしょうか。
この作品では人類全体のことより身近なことしか頭に無い人間が
核兵器の力を手に入れてしまいます。
で、考えたことが「大金よこせ!、女よこせ!、酒よこせ!」
下世話ですねぇ(笑
各国政府も右往左往するだけで、なかなか笑えます。

このような深刻な話題をきっちりパロディに仕上げるのは、作者の力量を感じます。
作者のロシュワルト氏は1921年にポーランドに生まれています。
その後、イスラエルに移住しアメリカ、イスラエルなどで、
ジャーナリスト、社会学教授として活躍しています。
第2次大戦の最前線での経験やイスラエルでの生活などが
ユダヤ系の作家である彼に深く影響しているようです。
深刻な事態でも常にユーモアを忘れない。そんな感じがします。
大国の力の論理を端的に表しパロディにして考えさせられる。
そんな作品なので今の時代にこそ読んで欲しい作品なんですが、、、。

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