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有名な安楽椅子型探偵なので名前は知っていたが、実際に手に取るのは初めて。
推理する気はまるでないので、ぼーっとページをめくりながら意外な犯人やトリックを楽しんだ。科学の発達した現代では通用しないトリックも多いけど、それも時代を感じさせていい。
古典ミステリは心にダメージを受けることなく、ぼんやり読めるからいいな。
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安楽椅子探偵モノの祖と呼ばれる作品。
小食堂かカフェだと思われるABCショップの隅の席に陣取る無名の老人が、若き女性新聞記者を聞き役に数々の犯罪の謎を解いていく。
安楽椅子探偵とは言うものの、実は老人は謎解きのために裁判を傍聴しに出かけたりはする。
謎解きが趣味の一環を超えているような印象で、その推理がいかにもと思わせる。
短い話の中できちんと伏線を張り、それに沿って謎解きが展開していくのだけれど、これはやっぱり見事。
古い作品なので謎自体は簡単なものなのだけど、そこへ至るまでの筋道はしっかりしている。こういう作品だと古くても十分楽しめる。
最後の1作はこの老人の過去の犯罪を匂わせて終わるのだけど、そのまとめ方がいい。短い文章なのに長く余韻が残る。
こういう終わり方は好きだ。やはり名作。
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新聞社で働くポリーが行くカフェで出会った老人。
老人は常にヒモをもち、それに複雑な結び目を作りながら迷宮入りの事件を次々と解明してゆくのだ。
ほとんど老人の語りだけで状況が語られ、捜査や裁判は行き詰まったままであるのに老人だけはありうる真実を知っている。
ありうる道筋は老人によって示されるのですが、もしかしたらただの妄想のセンもないわけではないなぁと疑ったりして。
ポイントは真実(かもしれないこと)は老人しか知らないということか。
老人は謎を解くだけで決して犯人を断罪したりしない。
ただの謎解きマニアなんですよね。
そこがなんだかおもしろいなぁと思いました。