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密室の甲冑室での殺人事件。弓弦城の主人レイル卿の死。レイル卿は甲冑の籠手で絞め殺されたはずだが弦が巻き付いていた。目撃者が聞いた「かちり」という音。膝をついたような不自然な恰好での死。膝や腿に残されたあざの謎。妊娠してくびになるはずだった女中ドリスの殺害。籠手での絞殺。ドリスの部屋に残された籠手に隠された秘密。レイル卿夫人アイァリーンの射殺体。 レイル卿の息子フランシスの奇妙な行動。レイル卿の秘書マシイの証言。事件前に盗みだされた1万ポンドの謎。犯罪学の権威ジョン・ゴーントの推理。
2011年3月28日読了
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残念ながら名義が違ってもやはり
犯人の傾向は同じ、ということを
つくづく感じてしまいました。
犯罪の手口は幸いにも
結構凝っていて
「錯覚」を用いているので
犯人が特定できなくなっています。
しかしながら犯人がワンパターンなのは
少々残念であります。
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ジョン・ゴーント博士が探偵役。
古城の甲冑室で密室殺人といういかにもカー好みの設定だが、盛り上がるべき要素はあるのに平坦なまま終わってしまった感じでちょっと残念。
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かなり明確な密室ものなんだけど、なぜか密室であることに関する考察が少ないのが気になる。甲冑が満ちあふれた部屋の中で、当主があっという間に絞殺されるかなりの不可能状況なのに、すっと描かれてしまっているのが少し不満。
解決は「なるほど」と思えるものなのだけど、舞台となる城の図面がきちんと頭に入っていなかったせいか、ちょっと驚き損なった、というのが実感である。
やっぱりフェル博士やH・M卿じゃないと盛り上がりに欠ける。王道なんだけどちょっと地味であった。
2008/3/31
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9月の20冊目。今年の162冊目。
初カーター・ディクスン(ジョン・ディクスン・カーも読んだことなし)。うーんこういうのって図があると本当にわかりやすいんだけどな・・・と思いました。それだけでだいぶ想像できることが多くなりますよね。まぁもっと古典を読まねばなーと思わせてくれた1冊でした。
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3-
カーター・ディクスン名義での第一作。
古城、怪し気な城主、不気味な甲冑室、と、雰囲気だけは最高。
しかし翻訳の古さも手伝ってか、情景描写の曖昧さ、わかりにくさが足を引っ張る。城内の各部屋の位置関係が不明瞭。そのわかりにくさ故、物語にも入り込めず、真相が明かされる場面になってもいまいち盛り上がらない。作中では誰かが城内の見取図を作るのだが、それを読み手にも見せてくれれば良かったのに。
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う~ん、冗長すぎるなぁ。
まず物語がイメージとして頭に入り込まない。これは作中でも出てくる城の見取り図がこの小説で示されないことによるところ大きく、大いに問題だ。謎解きもこの見取り図がなければ、作者が語るがままに頷くしかなく、全くカタルシスが得られない。
捜査も回り道が多く、一向に進まない。特に狂言回しとして設定されていた城主の息子フランシスが物語を迷走させ、進行を大いに妨げ、忸怩たる思いがした。
カー作品でもかなり初期の本作。
唯一の救いは初期の作品からして、カー独特の語り口と物語設定とオカルト趣味が垣間見えたことか。しかし、それも単に物語を冗長にしているのに過ぎなく、切れを無くしていると思えて仕方がないのだが。
今回のカーの狙いはうだつの上がらない人物が実は極悪非道な人物だったという人間の裏面を見せたことか。
しかし、物語の引力が弱いのは否めないなぁ。