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上巻と同じく、サトウ氏が西軍に肩入れしている為
知り合いになったり着き従う者に会津藩の人間がいる割には
会津戦争の内情や幕府側としての本心について
一切触れられていないことが残念。
あの激戦の戊辰戦争も
戦場が北上するにつれて江戸にいる者にとっては
遠い場所の話であり
サトウ氏らは至って平和に飲み食いしたり
新年を祝ったりしていることが意外なようにも
これが世の中というものだというようにも感じる。
以前別の史料本に引用されていた
いくつかのこの本からの引用文とされていたものが
見当たらなかったのだが
訳の問題なのか版の問題なのか。
手に入るのなら原文で読んでみたいものだと思った。
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イギリス人外交官アーネスト・サトウの日誌的な幕末物語。
幕末という時代が好きで、中学生・高校生の頃はよくそのあたりを扱った歴史小説を読んでた。なんか、そういう小説に出てくる人物が、ふつうに登場するのがヘンな感じ。そりゃそうだよね。今の政治の現場を記録して100年後に読んだら(おもしろいかどうかは別として)こんな感じなんだろうな。
アーネスト・サトウの他人の国に対する傲慢さにいらっとくるけど、時代の動きに超積極的に関ろうとする姿勢は学ぶものがある。あと、この人頭いい。
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サブテキストとして非常に面白いものだった。
サトウが明治初期のキリスト教政策に理解を示していたのが印象的。
これから後の時代も気になるんだけどな。伊藤との仲良し話をもっとしてくれ~!
当時の文化を、異邦人の目線で客観的に見られるところも良かった。
伊達公は歌って踊れる殿様ってことでFA?
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まだ20代前半だった筆者が、日本語通訳として明治維新の当事者となり日本側とやりとりしていく。こっちサイドから見ると伊藤博文などの小物観が半端ない。明治維新のフィクサーというのもあながち間違いではないと思いました。
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幕末は外国人にとって物騒極まりなかったに違いない。現にアーネスト・サトウも1867年5月に襲われている。武士たちは相当に血走っていたのだろう。明治に入っても、しばらくはそのような人が世間にうようよといたのだろうが、文明の開化によって武士の気質も徐々に消えていったのだろう。いまの日本人のなかに武士のような一本筋の通ったひとを見つけるのはとても難しい。明治維新によって日本人は大きく変わり、もう武士のような生き様をする日本人に戻ることは決してなかった。
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本書は「世界を揺るがした10日間」のような第一級の迫真のドキュメンタリーだ。これが体験から数十年後に書かれたとはとても信じられない。アーネスト・サトウの几帳面かつ優れた知性がうかがえる。
それにしても歴史とは多くの視点から見つめるほど面白いものだと思った。本書を読了して萩原延壽の「遠い崖」をもう一度読んでさらにこの時代をより深く探求したくなった。
2016年12月読了。
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北陸からオーザカへの道中は、後に明治の日本を旅するイザベラ・バードの紀行文を思い出させる当時の日本人の反応そのままだ。時は維新の最終段階。この巻で坂本龍馬の暗殺を明記しているが、長崎で知り合ったとある。グラバー商会の記述も淡泊だ。維新に関わった他の日本人の記述と比べて記載がないに等しいのは、重要人物ではなかったのか、半世紀を経ても秘匿すべきことだったのか? 新政府の重職に公卿が名を連ねたことに対して、実力を伴わない職であると言い切っているのは、けだし慧眼である。
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原書名:A Diplomat in Japan
日本の役人との社交、新潟、佐渡の金山、七尾訪問
陸路、七尾から大坂へ
大坂と徳島
土佐と長崎
将軍政治の没落
内乱の勃発(一八六八年)
伏見の戦争
備前事件
初めての京都訪問
腹切、京都における天皇謁見の交渉
堺におけるフランス水兵虐殺
京都、天皇に謁見
江戸帰着、および大坂における公使の新信任状奉呈
雑多な事件、水戸の政争
若松の占領と天皇の江戸行幸
榎本、脱走した徳川の軍艦をもって蝦夷を攻略
一八六九年、江戸において天皇に謁見
東京における最後の滞在、故国へ出発
著者:アーネスト・サトウ(Satow, Ernest Mason, 1843-1929、イングランド・ロンドン、外交官)
訳者:坂田精一(1903-1988)
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1862年に通訳としてイギリスから日本に来たアーネスト・サトウの第一回目日本滞在の回顧録。薩長との関係、幕府との関係、他国の外交官たちのと関係など、幕末の事情が生々しく語られている。明治維新・戊辰戦争の最中の明治2年に一旦イギリスに帰るまでが描かれている。
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明治新政府樹立に向けた動きの中で、諸外国の関与のあり方に違いが見えて面白い。特に英仏の見通しの水準の違いはどこから生まれているのか。当時の貿易額や外国人居留地人口からいっても英は単独で三分の一を占めていた訳だが、それ以上に外交官の質の差が大きかったのではないか。
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日本の歴史上、おそらく最も大きな変革が行われた時代の有り様を、まさにリアルタイムで経験した記録は、外国人という立場から幕府側、官軍側のどちらにも片寄らない関わりとなっていて、まさに歴史の得難い証言と言えるものであろう。
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楽しいか?面白いか?と言われたら…
幕末・維新が好きな人には是非一読下さい。かな
英傑の英雄としての伝記が読みたい人は退屈。
高杉晋作、坂本龍馬、西郷隆盛、木戸孝允は名前が出てくる位…それが如何に凄い事かと改めて思う