紙の本
実は頑張り屋の策士だった。
2009/10/22 06:45
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投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る
有名なペローの童話・長ぐつをはいたねこ。
先日読んだ『猫だましい』でも紹介されていた。
図書館でも何種類かの絵本があったが、
表紙のネコが気に入ったので、
なんとなく本書を手にした。
クレヨンの殴り書きのような、でも、すごく味のあるネコの絵だ。
ありゃ、トランペットを吹くネコだったか?
タイトルはよく知られているが、じゃあ、どんな話だったかというと、
子どもの頃に聞いたか読んだかしていると思うのに、細かいところは案外忘れていたりして。
粉屋がいて、息子は3人。
持ち物は、風車小屋、ロバ1頭、おすネコ1匹。
粉屋が死んで、息子たちが遺産を分けることになったとき、
総領(長男)が風車を取り、次男がロバを取り、末っ子にはネコしか残らなかった。
末っ子ががっかりしていると、おすネコはいう。
「がっかりなさいますな! わたしに長ぐつを1そく、あつらえてください。
それから、ふくろをひとつ。ひもでくちをしめられるやつをね。
あとはおまかせください。わるいようにはしませんから。」
息子は、ネコに長ぐつをあつらえてやったのだった。
とまぁ、ここまでは、忘れていても、すぐに思い出せそうである。
ネコは、策略をめぐらす以前に、裏で結構頑張っている。
最初から長ぐつはいて、二足歩行できたわけじゃなく、
夜中にこっそり練習したというエピソードが2ページ目なのである。
長ぐつはいて、こけたり、逆立ちしたりして、がんばるネコの絵が10カットあり、
それが健気でかわいいのだ。
あれ、こんなことしてたかなと思ったくらいなので、
本によってこのシーンは書かれていたり、いなかったりするのかな。
利口なだけで動かないんじゃなくて、
根回しのためには、見えないところでちゃんと努力するネコだったのである。
足元がしゃっきりしてからのネコは頼もしい。
ふくろをもって、野菜を取って、その野菜でウサギを捕らえて、王に献上する。
その後も何かと王に献上する。
すべて「カバラ伯爵」からだと言って。
「嘘から出たまこと物語」、
いや、偶然、うそが真実になったんじゃなくて努力をしているのだが。
ネコが息子を助けるために、根回しして準備し、
実在しない「カバラ伯爵」を「実在する者」にしてしまう。
自分が得をするために計算をしての行動だったら、
私はこのネコを嫌いになっていただろう。
だが、ネコは、長ぐつとおさらばして、ほっとするようなネコだったのだ。
策士タイプは、このネコから学ぶところが大きいと思う。
クライマックスで、白黒反転して、黒地に青と金で描かれた絵の、
星空、宮殿、楽器がキラキラしているのがお気に入りである。
フィッシャーのほかの作品をも探してみることにした。
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ドラちゃんのモデルは彼かもしれない。
そして話もさることながら
挿絵がスバラシイ。
表紙をめくった内側の絵までも
包装紙にしたいくらいのかわいさ。
色遣いも好き。
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絵本というより童話に近い気がします。
ページいっぱいに絵が描かれたページはいいのですが、絵が小さく文が多いページが多いです。
大勢への読み聞かせはいちかばちかでしょうか?
頭のいいネコが主人のために大活躍するという話自体は面白く、3年生の息子は好きなようです。
13分くらい。もう少し読みを練習してみます。
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初めてちゃんとストーリー知りました。
しがない主人のために奔走する賢いネコちゃんの話だったのね!
王様に貢物で顔を覚えてもらい、
散歩ルートをおさえて主人との出会いのセッティングをして、
主人のものじゃないものを主人のものと見せかけるために百姓を脅したりもしちゃう。
根回しの天才‥!
ただの利口者というんじゃなくて、怖い顔を練習したり、長靴をはいて二足歩行の練習をする地味な努力をしている人間くささがチャーミングですよね(笑)
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他の同名絵本を読み比べているが、フィッシャー版の猫ほど躍動感のある猫はいないだろう。
猫の舞台裏が描かれているところも面白い。手元に置いておきたい一冊。
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「粉ひきの父親の遺産で長男は風車を、次男はロバを、三男の主人公は猫を貰う。『兄達の仕事道具と違い、自分はお腹が減って死んでしまうだけだ』としょげる主人公に対し、猫は『袋と長靴を用意してくだされば、きっと私がだんなを幸せにしてあげます』と言い出し、、、?」
言ったもん勝ち。というか何というか(笑)まぁ結果としては猫の発言は全て現実になったのだから、嘘ではなく真実なんだけれど、、、(笑)
石頭の私はこんな機転のきいた対応は出来ないけれど、それ以上にこの心臓の強さが羨ましい!!!
いや、猫も何が上手くいくかなんて分からずにぶっつけ本番で挑んでいるんだよな。。。ヘタな自己啓発本よりも勉強になるかも(笑)
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中古購入
スイスの絵本
読み聞かせ5才から
小学校中級向き
※この絵本への想いが長すぎるので
長文ご注意ください
ブクログで絵本を並べ始めて
いろんな方の絵本のレビューを見て
改めて世の中にはこんなにも絵本があるのだなと
寝れない夜にブクログ内をうろうろして
外が明るくなった日があった
その日私が特に目を輝かせたのは
同じ話で挿絵が違うものを見比べる楽しさだった
中でも『長靴をはいたねこ』は
ネコ好きなのもあるかもしれないが
好みの絵が多く
同じお話だけどいろんな方の挿絵で読んでみたい!
そう思って更にうろうろしていると
談話室でehon museumさんが
オススメのネコが表紙の本で
長靴をはいたねこを数冊紹介されてるのを見て
この想いをどこで伝えればいいのかと
勝手に大興奮しておりました(笑)
本人がここを見るかわかりませんが
この場をお借りして
ステキな絵本の紹介ありがとうございます!!
私にオススメされてる訳ではないので
談話室ではコメント残せませんでした!
改めて検索してみると
どれも甲乙つけがたく
私には厳選できない!!
それくらいステキな挿絵が多い
気に入ったものを全て買うなんて
金銭的に無理とわかっていても
もうコレクター魂は揺さぶられてしまった
せめて古本屋での出会いを待つと
自分に条件をつけてみた
このところ頻繁に古本屋に行くので
新しい出会いはないと思っていけど
最近なにもかも上手くいかなすぎて
絵本で癒されたい!という気持ちが
天に届いたのか
今日はステキな絵本に出会えて
ウキウキしてレジに向かう
その手前で
本棚に並べる前の本が置かれるラックにて
この絵本を見つけたのです!!
脳内で うおっ て叫びました(笑)
欲しかったものがこんなに安く手に入る喜び(´ワ`)
内容は知っていたけど
挿絵が違うとやっぱり雰囲気が違うのね
幼少期にアニメで観た時は
普通に面白いかな程度だったけど
この絵本だとフィッシャーさんらしさが出ていて
かわいいやら おかしいやら
私の心はとても満たされたのだった
これで明日もがんばれそう
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シャルル・ペロー原作、ハンス・フィッシャー作画、矢川澄子訳の絵本。
フィッシャーの絵は躍動感と可笑しみがあって、親しみを感じさせる。ときに見開きいっぱいに絵だけが描かれる演出も良い(特に最後の、夜宴でラッパを吹く猫は綺麗)。
ペローの原作と違う点として、読者への「うちあけばなし」が時々挟まれるのが面白い。終幕の「うちあけばなし」では、猫が長靴を脱げてほっとした、ということが打ち明けられる。原作では、猫は最後に大貴族になるけれど、それとは違う結末が暗示されている気もする。
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3/15は靴の記念日
遺産相続で、3番目の末息子がもらったのは「ねこ」…。
ぜひ『長ぐつをはいたねこ』を。
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東映アニメよりも
絵本の方がいいですね!
さらっと描いたような線が好きー!
賢そうな表情も動きもいいです!
おはなしが、うまく行き過ぎで
個人的に(^_^;)ですが
子どもたちにはいいんでしょうね
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「長ぐつをはいたねこ」のイメージはあるけど、肝心のお話は思い出せない。ということで妻が借りてきた。
父の遺産として、長男には風車、次男にはロバ、三男(主人公)には猫が割り当てられた。猫はなんにも役に立たないので、皮を剥いで帽子にしよう、と思っていたら、この猫、人語を解し、さらには喋る。という冒頭。
こんな話だったのねー。
原作:シャルル・ペロー、文:ハンス・フィッシャー、訳:矢川澄子
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「粉屋が死んで、3人の息子たちは遺産を分けることになりました。1番目の息子は風車を、2番目の息子はロバをもらいましたが、3番目の末息子は、たった1匹のネコだけでした。落ち込む末息子に、ネコは長ぐつと袋を1つ用意するようにたのみます。ネコは末息子が用意した長ぐつをはくと袋を背おい、なんと王様のところへでかけていきました。ネコはいったい何をするつもりなのでしょう?末息子はいったいどうなるのでしょうか?
読んであげるなら 5・6才から
自分で読むなら 小学低学年から」 (福音館書店の紹介より)
『あなたもブックトーク』京都ブックトークの会にて紹介:(対象小学3年生、テーマ「お金持ちになりたいのは世界の人々の夢!?世界の民話から」鈴木晴代さん p.38)
ブックトーク:
・日本の『わらしべちょうじゃ』は知っている子どもは多い。
・ウクライナの昔ばなし『わらのうし』のお話も一緒に紹介し、ワラから始まる民話を紹介。
・ネコの働きえお金持ちになるのは『長ぐつをはいたねこ』
・一羽のシラサギを使ってお金持ちになった沖縄の男の話『しらさぎちょうじゃ』
・『こどもに語る北欧の昔ばなし』のなかの『北風をたずねていった男の子』は小麦粉でお金持ちになる。
・コインを拾ったのは『おすのつぼにすんでいたおばあさん』
・金の塊を手に入れるのは『しあわせハンス』
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ねこは王さまのためになにか食べものをやったりしてたけど、そのあとは畑とかを自分のものにかってにしてたから、わるいねこにさいごなってて、なんでかと思った。