紙の本
紀行作家、宮脇俊三氏による鉄道紀行文です!
2020/05/12 11:16
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、紀行作家である宮脇俊三氏によって著された鉄道紀行文です。宮脇氏の作家デビュー作でもあり、刊行された1978年には日本ノンフィクション賞受賞を受賞しています。同書は、鉄道ファンであった宮脇氏が、週末という限られた時間の中、時刻表を駆使して、それまでに乗り残していた日本全国の日本国有鉄道(国鉄)の路線(主に盲腸線)約100線区に乗車し、3年をかけて当時の国鉄全路線完全乗車へ挑んだ過程を綴った紀行文です。タイトルの「2万キロ」というのは、当時の国鉄の旅客営業キロが20,992.9キロメートルであったことによります。実は、同書がきっかけで、「鉄道に乗る」こと自体を目的に旅をするということが趣味として世間で認知されることになり、後に国鉄の「いい旅チャレンジ20,000km」キャンペーンを実施するまでになったと言われています。同書は主として1975年から1977年の乗車記録が中心に描かれています。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:鯏 - この投稿者のレビュー一覧を見る
自粛期間中の暇潰しのために購入したら、夢中になってしまいました。現在は、感染症の流行で、長距離の外出も控えなくてはならない世の中ですが、いつかまた、気兼ねなく旅行に行ける日が来ることを願っています
紙の本
こだわりを感じました
2022/11/12 03:39
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投稿者:ひでほじい - この投稿者のレビュー一覧を見る
何かにこだわってつきつめていく。そんな趣味の原点を見た気がしました。作者は中央公論の編集長という要職にあった方ですが一般のサラリーマンでもこだわりをもって趣味を突き詰めれば死んだ後でも作品が残ることがあるかもっ知れない、と感じさせる傑作でした。
紙の本
良いです。
2022/08/01 09:48
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投稿者:スッチー - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても面白いです。興味のある方にはオススメです。とても素敵です。読みやすく面白いです。分かりやすいです。
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Hキャンパスの図書館で借りた本。
鉄道紀行というジャンルを創設したと言われる宮脇俊三氏のデビュー作。鉄道旅行好きな私のような人間にとってはバイブルにあたる本だが、恥ずかしながら今まで一度も宮脇氏の本を読んだことがなかったので借りてみた。
当初は連休中に読もうと思っていたが面白く一気に読みきってしまった。氏の時刻表に関する洞察も脱帽ものであるが、それを物語の目的とすれど、描写の中心はいつも旅情にある点が素晴らしい。氏の豊富な地理の知識や、土地の人間や周囲の景色を観察した様子が丹念に、温かく描かれている。荷物を扱う様子を「勢いよく、つまりは乱暴に」と表現しているくだりなど、人間味のある表現は読者をひきつけてやまない。
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宮脇さんの本を何冊か読んだのですがこの本はなかなか手に入らなくて… 丸善で見つけて購入しました。
国鉄(その当時は国鉄)全線にのるって…なんだかすごいんだかちょっと間抜けなんだか、という感じですが自然と8割がた乗ってしまったというんだからそれはそれで凄いですね。そこまで来たらもう完全制覇しかない、となったところから難しいというのは何となくわかる気が致します。
面白かったです。
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小学生当時、時刻表が何よりの愛読書だった。
クラスに同様の友人がいたので孤立することはなかったが、多くの共感を求められる趣味でなかったことは確か。
そんな中、この本を読んだときの衝撃や如何に。不遜にも「仲間がいる」と内心叫んでしまったことを思い出す。
しかも著者は財力にものを言わせて新幹線も寝台特急も乗り放題。関西始発の夜行に乗るため新幹線との乗り継ぎという離れ業もなんなくこなす。
当時はもちろん会社人間が休みをとることの厳しさを何一つ知らなかったので、とにかく羨ましかった(笑)
いつかこんな大人になってやると思いつつ…果たしてなれたのかな?
2万キロはもはや超えられない壁、なのに全線完乗は未だ、遠い。
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20110731 知識を控えめでもつたえずにはいられない。ストイックなマニアかも。淡々と書かれた文章の中に笑いのポイントがあったり最後までたのしめました。
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言わずと知れた鉄道ファンのバイブル。これもボロボロになるまで何十回も読み返した本。でも、マニアじゃなくても楽しめるのが、中央公論名編集長だった氏の文章のすばらしさ。
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鉄道趣味を武道、茶道と同様に「鉄道」と言っていたのは誰だったか。まさにこれぞ「鉄道」と言えよう。時刻表を読み込み、乗線計画を立て、乗車(一日に同じ駅を2度も3度も通過する)、列車遅延などのトラブルに見舞われても、計画を実践するためにさらに時刻表を読み込む(時には先行した列車をタクシーで数十キロ追いかける)、そして白地図に完乗区を塗りつぶし、未完乗率を更新する。または芸術とも言えようか。
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私が小学生の頃話題になってましたが、まさかこの歳になって読むとは思わなかったです。っていうか、読み鉄なのに何故今まで気がつかなかったのだろうと(苦笑)
物語のスケールの大きさにもびっくりしましたが、ディーゼル機関車が客車引っ張っていたり、荷物車が繋がっていたりといった昭和レトロな鉄道風景の描写が、とても懐かしい気持ちにさせてくれました。
又、私も時刻表読むの好きなんで(笑)タクシーで追いかけたり、時間調整でどこかへ寄ったりする場面では、思わず頷いちゃいました!
今は地方でも新幹線が走っている様な時代になっちゃったけど…やっぱり鉄道の旅は、こういうゆるい感じの方が好きだなぁ〜。
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我が座右の書。国鉄約二万キロの完全乗車に至る過程の道中記が記されている。いい年して汽車ポッポ、なんの因果でここまでしなくてはならないのか、等自己を客観視する冷静さ、面白さ。マニアたるもの、かくあるべし(笑)。富山港線を追いかけるシーン、唐津でのタクシーでの乗り継ぎ、北海道完乗の直後などの心理描写が大好き。
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当時の国鉄の全線制覇ゴールまでのラスト3年間ほど軌跡の著者自身の手記。昭和50年から3年ほどの約35年前の記録なので、とにかく昔の国鉄の雰囲気が伝わって興味深い。この時代 1区間50円で切符買えたとか、この頃はまだ路線が延伸していたので、一度乗った路線でもまた新たな区間を走破しないと全線制覇できないとか、大変そうです。
この10年後くらいに国鉄はJRへと民営化しますが、既に採算度外視の経営を強いられていた事がわかるエピソードも散りばめられていた。北海道の大自然をのんびり鉄道で旅するのはどんどん難しくなっているので、自分の定年後の趣味にはできないだろうなぁ。
ただ、すご~く地味な内容なので、時刻表マニアや鉄道旅行好き、何年か前にNHKで関口さんがJR全線走破制企画をやってましたが、あーいうのが好きな方にはお薦めです。
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もと中央公論誌の編集長という平日の顔を持ちながら、国鉄時代の2万キロを乗り切った宮脇俊三先生。鉄道好きの人種からすれば、教祖さまのような存在と言えるのでしょう。
完璧に時刻表を読みこなし(あるいは全部頭に入っていそうな)、乗り換えや乗り継ぎで失敗するようなことは断じてなく、乗ることを使命としているような、そんな鉄人を想像していたことは事実です。
金曜日ともなると、駅にまっしぐら。未乗の区間をつぶすべく寝台列車の乗客となり、まだ乗っていない区間を乗りきるためだけに現地へ向かう。
道中、たまには意外と普通な失敗をやらかしたり、地元の名物の誘惑にあらがえずに途中下車してしまい、ほんの少しだけ未乗区間を乗り残すというお茶目さも持ち合わせているおじさん。それがかの有名な宮脇先生の素顔だったのです。
なんかイメージ変わるな~。
中に出てくる路線の多くは、国鉄からJRへの分割民営化とともに廃線になってしまったものも多く、真似して乗りたい、と思っても、今はもうそれができないのが残念でなりません。宮脇先生の文章にも、「車内に乗客が自分以外に誰ひとりいない」とか、「雑草の茂る寂しい無人駅」などといった記述が散見され、いずれ廃線の運命をたどりそうなことは、乗りながらも先生は感じ取っていたようです。なくなる前に乗っておかなければ。それが2万キロ踏破の無言の原動力になっていたようにも感じます。
それにしても、宮脇先生はローカル線の中で実にいきいきしています。乗り継ぎトリックを考えついて「これだ。ふふっ」とひとりほくそえみながら列車に揺られている様子や、駅で切符を買うのにあれこれ空席を調べてもらい、しまいには「お客さん・・・いったいどこへ行きたいの」と駅員さんにあきれられたり、と、なんだか楽しそう。
度重なる遠征で、さすがに旅費がかさみ、ふところが寂しくなってきて、お酒をちょっとがまんしたりするところもほほえましいのです。
最後に残っていた路線を乗り切り、悲願だった完乗を達成したというのに、満足感よりも心にぽっかりと穴があき、「乗るべき線がないから、もう書くことがない」としょげるさまも、「よしよし」と声をかけてあげたくなりました。
しかし意外な形で物語は再開します。明治30年より悲願80年といわれた気仙沼線がめでたく開通したのです。新しい線ができたら、宮脇先生は乗らなければならない。1日たりとも100%を下回りたくないと、早速、開通の日に乗りに出かけます。きっと息を吹き返したように足取りは軽かったことでしょう・・・
沿線の住民による花笠踊りや小旗、風船、祝福の様子。開通の日の地元の人の喜ぶさまを読んで、ぎゅっと胸をつかまれました。ここの路線は今回の津波で多くを流されてしまったのです。開通の日の乗客となった宮脇先生も、もちろん住民の方も想像すらしなかったことでしょう。特に、なぜか志津川駅での祝福の様子が細かに書かれていることに、せつない気持ちになりました。
日本じゅうで、今はなくなってしまった寝台列車や特急・急行列車の数々や、車掌さんとのほのぼのしたやりとりを読んでいると、時���は変わってもやっぱり、「線路は続くよどこまでも」なんだなぁ・・・・と、あらためて、鉄道の旅を大切に楽しみたいなあと思うのでした。
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古本カフェで見つけ、購入。
当時、私も周遊券(更に学割で!)で九州や山陰地方をふらふらしていたので、その頃を思い出しながら、懐かしく拝読しました。
1日に数本しか列車のないローカル線に乗るために、時刻表や地図、電話などを頼りにプランを立てていく過程は、大変そうだけど、とても楽しそう。
だけど実際には思わぬ事態で、それがうまくいかなかったりするのが、また楽しい(当人は大変だったでしょうが。でも、そのスリルを楽しんでおられるようなトコもあるかな)。
もっとも印象的だったのは、筆者ひとりきりが乗った最終列車。
車掌さんが停車ごとに無人駅の灯りを消していくくだり。
効率や採算性が優先される現代では、こうしたローカル線は「無駄なもの」として存在も許されないんだろうな…だけど世の中には、こうした「無駄なもの」がどこかにないと、息が詰まるよなぁ…
そんなことを考えながら、読ませていただきました。