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紙の本

日本は「ヒラの人たち」でもっている国だったのに。

2006/04/29 10:23

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る

ほぼ同名の『「豊かさ」とは何か』(暉峻淑子)があり、こちらの方が一時ベストセラーになったため有名だろうが、長い目で見れば読むべき価値があったのは、飯田の本だった言えるだろう。飯田は名古屋大学経済学部教授で、名古屋大学経済学部長まで務めた人物である。専門は理論経済学であるが、一般読者向けの新書は、経済学理論より「我、唯足るを知る」の大切さを説いた著書が多い。(関東・関西の人にはそれを「名古屋人はケチだ。」と表現する人もいる。名古屋人から見れば儲かるとなれば、バブル期のように節操なく何にでも食いつく他地区こそ卑しいと思っているのだが。)

 前出の本で暉峻が述べている趣旨は概ね的を射ていると思うが、日本人にありがちな○○と比べて日本は駄目だという論の運び方である。彼女の本ではそれが西ドイツなのだが、どの国にも正の面と負の面があるのは西ドイツも同じだったはずだ。岸田秀が『ものぐさ精神分析』で書いているように、日本人は極端から極端に走る傾向があるので、「次はドイツだ。」となると負の面に目をつぶって突き進んでしまう。現在の世界のどの国も理想とできるほどの社会制度を実現しているとは思えないから、よい面を参考にすることはもちろん大切だが、ある一国を持ち上げるべきではない。また、それぞれの国には独自の文化や国民性があるので、それを踏まえて自分の属する社会の改善を図っていくべきだろう。

 さて、この飯田の本であるが、他国は素晴らしくて日本は駄目だというマゾヒズムと逆方向から日本社会を見たものである。暉峻の本、飯田の本ともに1980年代初出で、失われた10年以前の著作であるが、いずれの道を取るべきであったかは、いまの注目の名古屋経済を見れば分かる。(2006年現在)スマートさよりも実を取る勇気こそが大切なのである。

 奇妙な符合で、二人ともバブル崩壊後、暉峻は『豊かさの条件』、飯田は『経済学の終わり−「豊かさ」のあとに来るもの−』という本を書いている。その後の日本を彼らがどのように分析したかを読んでみると面白いだろう。飯田は、バブルを自分自身の問題でもあったとして反省している。

 なぜか、西ドイツを題材とした暉峻の意見が社会主義的で、名古屋を題材とした飯田の意見が自由主義的に感じられた。不思議である。

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