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ゴルディアスの結び目(角川文庫)

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紙の本

意識と意志と宇宙について考えさせられる連作集

2016/02/21 12:24

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る

本全体を通しての「まえがき」などがないので、すっかり小松左京の中~短編集なのだと思って読んだのだが、巻末にある川又千秋の解説を読むと上記4作品で連作らしく、この1冊でまとめて『ゴルディアスの結び目』と呼んでもよいのだろう。そう思って改めて見ると、確かに同じようなテーマで書かれているのかもしれない。
だが、「岬にて」はあまり何かわからない、ドラッグ小説のように思えてしまった。
最後の「あなろぐ~」もやや観念的な描写が続き、宇宙の誕生と消滅を扱っているのだろうという程度にしかわからなかった。ただし、宇宙の誕生について主人公と思しき人物が神と思しき“意識”と会話している中で、
「でも、ある”態度”の文脈を通じて、物事をつきつめて行くと、窮極的には、”感じ”だけが、その”態度”の結論をきめるものとなりますよ。――科学だって、人間によって、人間を通じて進展していく以上、最終的にはその”感じ”にたよらざるを得ない。ここから先は、当分の間わからない。自分が生きている間はおろか、人類なら人類という”知性種”が種として存続し得る間に解明できるかどうかわからない、という、”諦念”や”絶望”、有限の知性の解明能力をこえて、なお彼方に”超越的なもの”が横たわっている、という”畏怖感”、しかもなお、自己の有限、知性種の有限を悟った上で、やれるだけの事を精一杯つとめる、という”敬虔の情”、あるいは、突然、目の前が洗われたように出現してくる――部分的ではあるでしょうが――宇宙の構造に、ぴったりの理論が見つかった、という”整合感”……。そういったものが、科学”者”たちを、さまざまな方向へかりたて、ある場合には、そういった”感じ”にたよって、理論の積木をくみたて、また理論のレース編みを編みあげて行く……。”感じ”というのは、だから、人間と宇宙を関係づけるものの中で、かなり大切なものじゃないかな……」
と語っているのは印象的だった。
「すぺるむ・さぴえんすの冒険」は意外な人類終末ものとして読むというのは、作者の意図にかなっているのだろうか。ここでも、主人公が宇宙意識とでもいえるものとの会話の中で、
「私もかねがね……いつか、ひまがあったら、この宇宙において、一般的に、”意志”とか、”力”とか、”知性”というものは何だろう、とじっくり考えてみたいと思っていた。たとえ、それが、”地球的偏り”があっても、地球もまたこの宇宙の一部であり、地球種血生体もそうなら、ローカリティ・バイアスがかかっていても、その本質の中には、宇宙的に一般化できるモメントはふくまれているだろう、と思っていた」
と言っていて興味深い。
そんな中、表題作の「ゴルディアスの結び目」は非常に面白く読めた。人間の潜在意識の問題としても読めるし、そこの果てに宇宙に通じていくように描かれていて、中編作品でありながら扱っている問題は大きい。ちなみに、表題の意味は、登場人物の次のような会話の中に出てくる。
「人間の心の傷、かたくむすぼれた魂を、すべてときほぐし、いやす事ができる、と思うのはこれは……傲慢というものじゃないかね?」
「君の信念は、まちがっているとは言わんが、あまりに若く、理想主義的で、楽観的だよ、伊藤……。傷や、むずぼれが、ある程度以上になると、もはや完全に癒す事も、ときほぐす事もできなくなるんだ。――ゴルディアスの結び目のように……」
んんっ?こうしてみると、やはりこの本はある種のテーマのもとに書かれた連作集なのかもしれない。改めて、最初から読み直してみた方がよいのか?

2014年7月13日記を一部修正

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