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みんなのレビュー5件

みんなの評価4.0

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5 件中 1 件~ 5 件を表示

紙の本

自分が原始人だって思ったことあります?

2001/05/23 00:13

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読ん太 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 井上ひさし氏は、かつて家族とともにオーストラリアに移住した経験があるそうだ。わずか半年ほどの期間であったらしいのだが、本書はこのオーストラリア滞在中の著者の思いが濃厚につまった小説となっている。
 南半球に位置するオーストラリアは、季節も日本とは正反対であるし、国土も広大。黒い白鳥だっているし、大砂漠もある。
 ストーリーとしては、著者がオーストラリアに対して抱いた思いのたけをぶちまけたいと思う気持ちがヒシヒシと伝わってきて、却って、流れに無理が生じてはいるが、冒険小説風に仕上がっていて楽しい。

 時は第二次世界大戦の真っ最中。オーストラリアのバーメラ収容所では、日本に帰国しそびれた日本人捕虜がお気楽な収容所生活を送っている。なぜお気楽か?というのは、本書を読んでのお楽しみにするべきだろう。
 収容所には2棟の捕虜収容棟があり、ひとつが「黄色い鼠棟」でひとつが「黄色いならず者棟」。どちらも日本人蔑視からくる呼び名をつけたもので、内ひとつが本書のタイトルになっている。日本人と言えば、イエロー・モンキーなど、なにかと先頭に黄色をひっつけられるようだ。「悪かったなぁ、黄色くてよぉ!」
 さて、とにもかくにも、お気楽な収容所生活を送っていた捕虜達のところに、突如ガチガチの軍人、江藤が新入りの捕虜としてやってくる。さぁ、それからが大変である。
 江藤は大日本帝国海軍軍令部総長永野修身閣下からの命を持って、結局は捕虜全員を引き連れて、作戦決行の場アリス・スプリングスに向けての脱走を決行する。捕虜の脱走というと、悲惨きわまるイメージを持つだろうが、彼らの脱走はブラスバンドの演奏付きで、まるでお祭り騒ぎ。なぜか?これも本書を読んでのお楽しみにすべきだろう。
 アリス・スプリングスへの道は砂漠という過酷な自然に阻まれたりと困難を要する。はてさて、彼らは無事作戦決行の場にたどりつけるやら??

 この本の読みどころは、日本からはじき出されてオーストラリアにたどり着いた、鉱山技師である佐藤修吉と、脱走の道案内として活躍する、原住民(アボリジナル)のルルバ老人との会話だと思う。
 ルルバ老人の言葉を読んでいると、我々と原住民のどちらが原始人により近いか?との疑問が浮んできた。
 ルルバ老人は言う。「…文化といい、文明といい、つまるところはどれだけ人間が自然をはっきり捉えられるかというところに根本があるのだろうと思う。」
 なるほどねぇ。…とすると、あらあら、ネクタイをしめて、スーツを着込んで、髪をきれいになでつけた原始人が回りにウジャウジャいることよ! はたまた、そう言う私も立派な原始人…。

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紙の本

井上ひさし全著作レヴュー30

2010/11/07 11:59

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:稲葉 芳明 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 初出は『オール読物』1977年1月号~6月号。
 1976年、井上ひさしは国立オーストラリア大学アジア学部日本語科から客員教授に招聘されて渡豪、半年の間異国の地で生活を送った。この時の、日本語が通じない/英語が分からない事に由来する精神的苦痛は相当なものだったらしく、エッセイ「なぜ方言でなければならないのか」(『パロディ志願』所収)で「此処に住んでいると、英語というコトバの体系に圧しつぶされてしまうぞという強迫観念さえ抱く」と記した程である。
 そんな日々を過ごしている折、偶々大学図書館で見つけた古い手帖を紐解いてみると、南オーストラリア州バーメラ日本人収容所に抑留された佐藤修吉なる人物が、太平洋戦争中の数奇な運命を縷々書き綴った手記であった。この内容を、遺族の許可も貰って小説化したのが本書である――という体裁をとっているが、勿論これは完全なフィクションである(バーメラは架空の土地)。
 ちなみに主人公が辿る数奇な運命・冒険の旅は、本文の記述をそのまま引用すると「一 バーメラ日本人収容所における報復絶倒の日常生活。二 収容所からの威風堂々の脱走。三 砂漠における追跡者たちとの赤手空拳の戦い。四 砂漠での悲愁断腸の結末」とあり、確かにこれは波乱万丈の物語である。しかし本書で井上ひさしがやろうとしたことは、大冒険活劇を講釈することではなく、日本とはあらゆる意味で正反対の異郷の地=オーストラリアを相対化し、この異郷の地で「日本人」であることがどんな意味を持ちうるかを、必死で探ることにあったのではないか。アボリジナルの老人に語らせる文明論、オーストラリアの広大な大地への畏怖、海軍の軍令を狂信的なまでに遂行しようとする江藤と主人公を対比することによって浮かび上がらせる日本人論等々色々な要素が混ぜ合わされているものの、完成度にやや欠けるうらみが残る。しかし、異国の地での苦い体験が生々しく反映され、そこから結果的に著者が手に入れた「日本」に対する新しい視点が現出した点を、自分はとても興味深く読んだ。

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2008/05/17 22:18

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2008/01/08 17:14

投稿元:ブクログ

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2015/01/18 21:32

投稿元:ブクログ

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