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ふたりはきょうも みんなのレビュー
- アーノルド・ローベル (作), 三木 卓 (訳)
- 税込価格:1,045円(9pt)
- 出版社:文化出版局
- 発売日:1980/08/01
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絵本
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紙の本
心がじわじわ温まる
2022/07/23 16:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
がまくんとかえるくんのシリーズは全4冊、すべていいお話しばかりですが、本書は、最後に「ひとりきり」が収められているという点で、涙腺が崩壊する一冊です。
ちょっととぼけたがまくんと、しっかりもののかえるくん。2人(2匹)の関係性や作者アーノルド・ローベルについて知った上で読むと、さらに感動します。
紙の本
ふたりはきょうも
2017/04/23 17:56
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投稿者:なな - この投稿者のレビュー一覧を見る
かえるくんとがまくんシリーズです。
絵はかわいいし、おはなしもおもしろくていいです。
このシリーズいいですよね。
紙の本
意外なブラックかえるくんが発動
2016/10/31 19:02
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投稿者:りりー・かさぶらんか - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつものようにアーノルド・ローベルの温かな絵が秀逸です。
今回、収録されている5編のお話もふたりの関係性がよく出ていてよいです。
私が面白いと思ったお話はいつも爽やかなかえるくんの意外なブラックな面が発動した『がたがた』のお話。
寒い、暗い夜にかえるくんはがまくんにこわ~いお話をします。
びびって「それ、ほんとの話?」と問うがまくんに「そうかもしれないし、ちがうかもしれない」とさらっとびびらせます。
かえるくんは意外にブラックな方でした。
紙の本
この巻の最後に収められている「ひとりきり」というお話は、何十ぺん読んでも飽きない。そしてラスト3行の魔法のことばで、必ず目を熱くさせられる。
2002/07/16 11:47
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中村びわ(JPIC読書アドバイザー) - この投稿者のレビュー一覧を見る
全部で4冊ある<かえるくんとがまくん>シリーズ20話のうち、どれが一番好きかを考えたとき、その判断には大いに迷ってしまう。
『ふたりはともだち』のなかの「おてがみ」は、国語の教材として採択されたことがあり、ふたりのキャラクターの面白さが存分に発揮されたお話だ。『ふたりはいっしょ』の「はやくめをだせ」は言葉のやりとりと連続する行動の楽しさが捨てがたい。その次に収められた「クッキー」も同じ魅力にあふれており、子どもの一番の興味「食べ物」を素材にした童話はやはりわくわくするなあと思う。同じ本の最後に収められた「がまくんのゆめ」は息子のリクエストが最も多いお話である。
季節色がよく出ている『ふたりはいつも』のなかでは、「アイスクリーム」の絵がおかしくてたまらないし、「おちば」のすれ違いにはいつも作者のユーモアに対する才気を感じさせられる。
しかし、どれかひとつということになると、シリーズ4巻めである本書『ふたりはきょうも』のおしまいに収められた「ひとりきり」をやはり挙げたくなってしまう。ローベルは、この作品を「決め打ち」と覚悟したのだと思う。それは3行の結びに読み取れる。
抜き書きしようかどうしようか迷うところだけれど、この3行というのは、がまくんとかえるくんのお話を知らない人や、この「ひとりきり」のお話を知らない人には、何てことのない、さりげない記述だと思う。だから、引用しておこう。
——ふたりきりで すわっている かえるくんと がまくんは、しんゆうでした。
そのうち原文を確認しておこうと思いながら、ついつい忘れてしまっているのであるが、少年の魂を抱きつづける詩人・三木卓さんの絶品の翻訳により、この童話シリーズが素晴らしい原作に加えて新鮮な息を吹き込まれ、長く読みつがれてきたことを象徴する部分であると思う。
「余計なお世話」「本の紹介の禁じ手」だとも自覚しつつ、「ひとりきり」のあらすじもまとめてしまう。心地よい響きとリズムに仕上げられたこの童話のテキストは、どうせ実際に触れてもらわないことには、その魅力を感じ取ることなどできないのだ。
かえるくんの家を訪ねたがまくんは、玄関ドアに「〜でかけています。ひとりきりになりたいのです」という自分宛ての手紙を発見して、憮然とする。ぼくと友だちなのに、どうしてひとりきりになんかなりたいんだろうと受け止めるのだ。あちこちさがすと、かえるくんは川のまんなかの島にすわっている。
彼をどうにか励ましたいと思ったがまくんは、ランチを作り、バスケットに詰めて持っていく。かえるくんに叫ぶがまくんのセリフがまた、いい。
「ぼくだよ。きみの しんゆうの がまがえるだよ!」
でも、遠いので声はかえるくんには届かない。がまくんは、かめに頼んで島に連れていってもらうことにする。かめは、ひとりっきりになりたいひとは放っておいてあげればいいのにと言い、言われたがまくんは、もしや自分の至らなさのせいで、かえるくんがひとりになりたいと思ったのかと危惧する。
「〜おねがいだから また ともだちに なっておくれよ!」と必死で叫ぶがまくんは、かめから滑り落ちてしまう。持参のランチは、びしょぬれになってしまい…。
「存在」して「感じる」ことの素晴らしさ——それを何度も教えてくれるお話である。