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紙の本
地形図ファンの入門編、というところでしょうか。日本各地の「有名地形」全61ヵ所オンパレードです。
2003/03/19 22:52
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投稿者:toricchi - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本って南北に細長くていろいろな気候があり、また海や川、火山の活動も活発、さらには産業の盛衰などもあって、地形図が描かれるようになって、今まででまだ100年足らずというのに、こうして明治の地図、昭和初期の地図、最近の地図を並べて眺めてみると、凄まじいばかりの変化に目を疑います。本書では「地形図マニア」教祖の著者が、秘蔵の地形図コレクションから、時代別に地図を並べ、2ページから4ページくらいでその解説をしたものです。全部で国内61ヵ所(本書には樺太や平壌はないですね)です。沖縄のサンゴ礁、桜島の噴火による「島」の「本土」への連結、四国の山村、歴史の町京都、東京近辺では、固定に沈んだ町やゼロメートル地帯(標高がマイナスですね)、北海道に行くと、炭鉱町の栄枯盛衰が地図上に見て取れます。地図というのは、実物を記号に抽象化し、縮小して2次元の平面に印刷したものです。これは明らかに「デジタル」情報です(「アナログ」は空中写真でしょうね)。デジタル情報を頭で「読んで」、その意味するところ、移り変わりの背景を推理していくのです。もちろん著者は地図を読むだけではよしとせず、現地に赴いて「何が起こったのか」を実際に見て、話を聞いて回り、「裏を取る」のです。地図は、抽象化された故の、美しさというか、神秘さがありますよね。これって地図マニアに限られた嗜好かもしれませんが。現代のものと比較するために提示される年代ものの地図のコレクションには感動するばかりです。こうしてみると、日本は狭いようでもたくさんのドラマが始まって、終わっています。もちろん、今ドラマの真っ最中のところもあると思います。何もなかったところに炭鉱が見つかり、町ができ、エネルギーが石油に転換されて炭鉱が廃坑になって、町がなくなり、鉄道がなくなる、そんな歴史ドラマが地図を通して語られます。著者は「あくまで主役は地図だから、写真は極力点数を抑えた」としていますが、日本現代史の一こまを垣間見る上で、地図も写真も非常に参考になるので、もうすこし、写真を載せてもよかったのではないでしょうか。もちろん載っている写真が素晴らしいので「もっと見たい」という欲なのですが。ほんと、地図って見飽きないですね。
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