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最近漢詩に興味を持って散々書き下し文を読んでいるせいか、口語文がすんなりと読めて、しかもこの方がテンポよく読めて気持ちがいいです。
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将来有望な青年がドイツに転勤し、そこで知り合った異国の女性と深い関係になった。そのことを同僚に告げ口されて、会社を首になったが、昔の友人のツテで日本に帰ることを条件に再就職が決まった。ショックのあまりその女性は発狂した。お腹には青年の子供がいた。
時代背景が良く分からないが、一緒に日本に連れて帰るという選択肢は無かったのだろうか?発狂するぐらいだったら、異国の地で頑張ったほうがまだ良かったかも。
一時間ぐらいでサックリ読めたが、古文を読んでいるが如く読み難かった。
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この本を読んで、自分の人生を重ね合わせてしまった。
森鴎外の舞姫。なんとなく前から読んでみたいと思っていてようやく読むことができた。
原文が文語体で、かつ場所は異国の事について書かれており、
あまり理解することができなかったのだが、
ウェブに出ている現代語訳を読んでみると、なるほど、すばらしいと感じた。
主人公はいわゆる天才であり、幼いころから学問には非凡な才能を持っていた。
でもそれが本当に彼を幸福にしていたかというと、そうではなかったようだ。
運よく、洋行という機会を手に入れて彼は自分の人生を変える出来事に出合った。
愛を取るか、地位・名誉を取るか、これは昔からの難題だ。
どんなに人生が充実していて、名誉もお金もあったとしても愛する人と暮らし、
毎日が充実した生活がない人生というのは、僕にとっては人生ではないと思う。
彼の場合何度も葛藤を続ける中で、でも彼自身が自分の過去と
決別できないがために、最愛の人を失うことになった。
自分の中の欲望があり、それに逆らって生きようとすると必ずどこかで破たんする。
彼の場合本当は、地位や名誉など必要でないとわかっていながら、
それを断ち切ることはできなかった。
頭では愛するエリスを捨てることができないとわかっているのに、
大臣からの言葉にnonという事ができなかった。
僕にも当てはまらないだろうか?
僕は昔は勉強第一で"本当に"好きな女性に全く声をかけようとしなかった。
いい大学に入りたいという目標と、でも二度と戻ってこない
高校の恋愛生活の重要性を直視せずに、恋愛を否定してしまった。
そこで経験したことは、自分に正直でなかったら、
人生は意味のないものだなと。
本当はすごくすごく好きな女性なのに、
彼女から離れようとしてそして自分を傷つけていった。
恋愛という視点で自分を振り返ってみると、
僕は確実に否定を繰り返してしまっていた。
この本を読んで、自分の過去の恋愛を振り返ることになるとは夢にも思わなかった。
自分に正直になるという事は大切だ。
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悲愛?非恋?作者森鴎外。
若くして明治維新政府の官吏となった主人公が、
ドイツ留学で美しい踊り子エリスと恋に落ちる話。
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『舞姫』
「この青く清らにて物問ひたげに愁を含める目の、半ば露を宿せる長き睫毛に覆はれたるは、何故に一顧したるのみにて、用心深き我心の底までは徹したるか。」
「彼はこの数週の内にいたく痩せて、血走りし目は窪み、灰色の頬は落ちたり。」
同じひとの描写とは思えない。
「「我豊太郎ぬし、かくまでに我をば欺き玉ひしか」」
エリスの破滅も淡々と書いてあるから,余計鬼気迫った感じがする。
最後のニ文,
「嗚呼、相澤謙吉が如き良友は世にまた得がたかるべし。されど我脳裡に一点の彼を憎むこゝろ今日までも残れりけり。」
のところも好き。終わり方がきれい。
パラノイヤを発症するまでのエリスが健気で悲しい。
『うたかたの記』
舞姫でもそうだけど,女のひとの描写がいい。好き。
夢みたいなお話だけど,湖の場面がやっぱり印象的。マリイの失われない気高さにあこがれる
読んだのは明治村版だったけど,旧字・文語体で難解かと思いきや流麗なので割合さらさらいける。
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文語で書かれたことによって、『舞姫』の全体は浪漫的なトーンで覆われることになった。物語は、ベルリンからの帰途、セイゴン(サイゴン)の港で「石炭をば早や積み果てつ」の印象的な一文で語り始められる。この物語の主人公であり、語り手である豊太郎は、この時日本を目前にしていた。すなわちこれは、すべてが終わったところから始まる「喪失」の物語なのだ。愛していたエリスも、そして自身の青春も、前途への夢も、すべてを時間と空間の向こう側に置いてきてしまった物語。そして遥かな彼方には、世紀末ベルリンの煌びやかな光芒があった。
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豊太郎のだめっぷりが久しぶりに読みたくなったので、「舞姫」を高校の教科書ぶりに読んでみた。
エリートコースを歩む豊太郎が、法律から歴史や哲学に興味を移し、母親や上司の言いなりの受動的な人間から、自ら決断する能動的な人間になろうと藻掻く。
そして舞姫のエリスと出会い、貧しいながらも幸せに暮らし始める。
が、帰国してエリートに戻りたいと思う気持ちとエリスへの愛情との間で心揺らぐ。
結局は自ら決断できず、自分が倒れている間に友人がエリスに告げ口したことにより、"仕方なく"帰国せざるを得なかった、と自分が悪いわけではないようなところがあいかわらずダメ男だと思った。
けど、しょうがないよなー、とも思う。
悩んでも悩んでも、きっと豊太郎には決断できなかったんだよなー。
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千年読書会・第2回の課題本でした。
森鴎外の自伝的な小説とも言われている一編となります。実際には、身近な友人と自身の経験をない交ぜにしたもののようで、「うたかたの記」「文づかひ」ともあわせて三部作的な位置付けとも言われてるのでしょうか。
相変わらずに美しく流れる文体も堪能しましたが、内容も当時の状況を敷衍しているかのようで何気に興味深く。“誰”に感情移入するかで、読み解き方は変わるのかなと感じました。
さて、主な登場人物はこちらの3人。
主人公:太田豊太郎
踊り子:エリス
友人:相沢謙吉
政府の公費でドイツに留学した秀才肌の主人公・太田豊太郎、彼が留学先で踊り子・エリスと恋に落ちたところの回想から、物語は始まります。その恋に“ハマった”豊太郎、仲間の心無い讒言などもあり、結局は政府から罷免されて、エリスと暮らしながら現地の新聞記者として糊口をしのいでいました。
そこに、友人・相沢謙吉からの再チャレンジの誘いがあり、記者として培った知見や語学力で政府関係者から評価され、祖国に復職することが夢でなくなっていくのが大筋となります。
ただ、相沢からの提示されたのは「エリス」とは袂を分かつべきとの一つの“提案”がなされたところから、悲劇の歯車をも回りはじめます。
恋をとるか仕事(出世)をとるか、現代の視点で観れば“エリスを連れて帰る”との選択肢もあったのでしょうが、政府役人との立場ではそれも難しかったのかな、といった当時の世相を、まずは読みとることができました(今でも治安や外交などの重要事案に携わる役人さんには制限事項があるみたいですが)。
結末から遡れば、酷薄で不義理であるとの断罪にもなりますが、これは当時も同じであったようで、自身でも「ニル・アドミラリイ」とのフレーズを文中で使っているのが印象的です。
確かに、この“悲劇”は豊太郎の優柔不断さに起因しているのと思いますが、同時に、明治時代の“優秀かつ野心的な若者”であれば、誰しもが持っていた“立身出世”への強い想いもまた、読みとることができるかな、と。
ここにはそんな“エリート”の煩悶が籠められているのかと、感じます。
鴎外自身の経験を投影しているとも言われていますが、当時はこれに類する話は周囲にもいろいろとあったのでしょう。そういった意味では“よい小説は時代を映す”ということを感じることができ、長く読み継がれているのもなるほどなぁ、と。
豊太郎の境遇を慮ればこそ「エリス」を切り捨てよとの言葉を発した、相沢。豊太郎を愛すればこその、不安と絶望を押し隠しながらも堪えきれずに狂気に行きついた、エリス。そして、それらのすべてを実感していながらも決断しきれずに煩悶とし続けた、豊太郎。
“相沢謙吉が如き良友は世にまた得がたかるべし。
されど我脳裡に一点の彼を憎むこころ、今日までも残れりけり。”
恐らく豊太郎は、この先も一生涯、相沢にこの“屈託”を見せることは無かったと思います。
三者三様の想いがちょっとしたボタンの掛け違いで、取り返しのつかない悲劇に至ってしまう、この物語の大枠だけ見れば、意外と今でも転がってそうな設定で。人の行為はそうそう変わることが無いのかなぁ、との普遍性を感じてみたりも。
コレが仮に「自分だけが最優先な」いまどきの優秀な人間(エリートに非ず)であれば、なんのてらいもなく、生活のためにエリスを切り捨てたか、もしくは友人の真摯な誘いであっても一顧だにしなかったのかも、とも。
明治であれば福沢諭吉翁、昭和であれば出光佐三氏、現代であれば青山繁治さんのような。彼らの共通するのは「国を支えて国を頼らず」との気概と思います。ふと感じたのは、今の日本に足りないのは、こうした気概を持った“エリート”かなとも、考えてみたりしています。
初めて読んだのは確か高校生くらいの頃、その時は豊太郎の不甲斐なさや不義理さに、違和感と反発しか残りませんでした。今回、久々の再読で俯瞰して見ると、その心の動きはなんとなく理解できる気がします。それはどこか、息子なり甥っ子なりといった眼で豊太郎を見ているからなのかもしれません。
そして自分が、相沢と同じ立場になったら、、「切り捨てよ」と言わない自信は正直、持てません。親しい間柄であればそれだけ“近くにいてほしい”と思うでしょうから、、と、そんな風に感じた一編です。
もう一つ興味深かったのは、どこの国でも、どの時代でも、“芸妓”が、性サービスと密接にかかわりがあるとの視座でした。確か、同時代のドガが「舞台の踊り子」でも舞台裏にいるパトロンの様子を描いていたと思います。
それを踏まえて、現在の日本の芸能界はどうなのだろうと、最近では“ミスインターナショナル・吉松育美さん”の事件などから垣間見える“現代日本の芸能界の闇”も思い出しながら、そんな風に感じたことを付け加えておきます。
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「舞姫」
「うたかたの記」
「文づかひ」
「ふた夜」
以上は,いずれもドイツでの恋愛関係のお話。
「そめちがへ」
これだけ,明治初期?の頃のお話。
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豊太郎って人気ないですよね。
そりゃひどいやつかもしれない。でも、私には彼の行動も仕方なよなぁと思えてしまう。
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『舞姫』他、全5編の短編集。
舞姫は比較的読めたが、その他の作品は小生の国語力では文語体が厳しく正直すんなり読めない。
当時としてドイツに関わる書籍は珍しかったんだろうと思います。
小生の国語力所以に★3つ。ごめんなさい。
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教科書にも載っている有名作品とその他による短篇小説集です。
まず擬古文が手強い。現代口語訳みたいなのが欲しいところです。
それにしても、心情の描写や嵐の描写など目を見張るものがあります。
解説者は舞姫を犠牲者としていますが、本当にそうなのかな?男を手玉に取った女優という見方もありだと思うな。
イタリア統一運動の描写があるけど、当時の戦争ってのんびりしたもんなんですねぇ。
舞姫(1890)
うたかたの記(1890)
文づかひ(1891)
そめちがへ(1897)
ふた夜-Friedrich Wilhelm Hacklaender(1890)
著者:森鷗外(1862-1922、島根県津和野町、小説家)
解説:稲垣達郎(1901-1986、敦賀市、日本文学)
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ドイツ三部作が読みたくて購入。
森鴎外の著作は高校生のときに結構読んでいたのですが、あらためて舞姫を繙いてみて、想像以上の読み難さに驚きました。
鴎外の著作は擬古体で書かれており、あえて読みにくい、古い文章で書かれており、そのため、同年代の作家と比較しても飛び抜けて難しく感じます。
ドイツが舞台のハイカラな内容を擬古体で表現するところに鴎外の楽しみ方があるのだと思うのですが、個人的にはただただ読み難いとしか思えなかったのが残念です。
ただ、一般的には、文章の美しさに定評があるため、そこをうまく感じ取れる方には良いのかと思います。
本書では、三部作の他、そめちがへ、ふた夜の合計5作が収録されています。
雁、高瀬舟、阿部一族など、比較的読みやすい作品は収録されていないので、とにかく舞姫が読みたい、舞姫を読むなら三部作すべて読みたいという方にはおすすめですが、鴎外の入り口としては、個人的には舞姫はおすすめできません。
各小節の感想は下記の通り。
単純な面白さで言うと、ふた夜は良かったですが、あとは今ひとつでした。
・舞姫 …
とにかく豊太郎サイテー。
中盤までの穏やかな日々からの終盤の落ちようが酷い作品です。
擬古体で書かれた、ドイツ人と日本人の恋物語というセンセーショナルな内容に新鮮味があった当時ならともかく、現代の我々が読んでも感銘の受ける内容ではないと思います。
あまりにも有名な作品なので、コモンセンスとして読む分には良いかと。
・うたかたの記 …
読み難い文章が通読の邪魔をしますが、3部作の中では比較的内容を拾いやすく、物語として成り立っていると感じました。
舞姫よりは主人公は一途で、ロマンチックな話でした。
・文づかひ …
びっくりするほど何書いてるのか分かりませんでした。
幸いにも、親切なサイト様で公開されている現代語訳を読んで、ようやく内容を知ることができましたが、単純な内容に過度な装飾を施しただけの作品に思える。
尾崎紅葉なら長い会話文も楽しく読めるのですが、本作は特に冗長にしよう、装飾しようという思いがある気がして、好きになりませんでした。
・そめちがへ …
一旦文筆を置いた鴎外がブランクの後、執筆した作品です。
異国を舞台としている他の作品とは違い、本作は明治の花柳小説であり、これまで読んできた、逍遥や四迷、紅葉に近い雰囲気を持っています。
あとがき曰くには、斎藤緑雨が失敗作と揶揄したとのことですが、確かに、当時流行していた小説の真似てみたが、面白みのない状況説明で終わった感じがします。
珍しい作品ですが、鴎外の著書の一部である、というところで読んでみるのもいいかもしれません。
肝心の内容が面白いかというと。。。
・ふた夜 …
鴎外の翻訳作品です。
現代の翻訳家が改めて書き起こすともっと面白いのであろうところが残念です。
だって、擬古体なんだもの。
原作準拠なのでしょうが、士官の一時の邂逅と悲しい結末が大変印象深く、心に残る作品でした。
鴎外はもう少し老成してから再読しようかと思います。
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20年ぶりくらいに読んでみた。若かった当時よりは文語体への抵抗も少なくなり、味わって読めた。
それにしても、岩波版では「舞姫」はほんの28ページのみ。その凝縮された文量で、100年先まで名を轟かすことの凄まじさよなぁ…。すでにストーリーが分かっているとはいえ、ドイツの凍える冬の色彩が目に見えるかのよう。豊太郎が選んだ結論だけを見れば「酷い」で終わってしまうかも知れないが、明治の日本の世情や、現代とは全く違う立身出世にかける想いなどを踏まえて感情移入して読むと、エリスと豊太郎、それぞれの苦悩が胸に迫る。
舞姫以外の話も圧倒的な悲恋ストーリー。現代語訳でも何でもよいので、若い人には多感な時期のうちに読んでおいてもらいたい。
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高校生のときに舞姫に出会い、その時受けた講義のおかげで主人公の状況、時代背景、そして顛末が意図するところなどの読み方を学びました。
本を購入し、一番に感銘を受けたのは「染めちがへ」でした。お話の情感豊かな表現と最後の落としどころとなる文章が素晴らしく、ふとした折に音読しては良さを味わっています。