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紙の本

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2005/07/09 23:38

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る

レジナルド・フォーチュンは本業は開業医師、ある事件をきっかけにスコットランド・ヤードの刑事と知りあいになり、その推理力をかわれ、難事件がおきると捜査に協力するようになる。1900年代の初めから半ばにかけて活躍した素人探偵です。
本書には短編7作が収録されていますが、数ある短編の中から精選されたのでしょう(ちなみに巻末の解説によるとフォーチュンものの短編集は12冊あるそうです)、短編の代表作とされ、あちこちのアンソロジーに採録されている『黄色いなめくじ』に優るとも劣らないできばえのものばかり、とても楽しめました。
惜しむらくはフォーチュン氏の人物像、副題に『シャーロック・ホームズのライヴァルたち』とあるのですが、かの名探偵と比べるとどうしても地味な印象を受けてしまいます。まあ、ホームズがあまりに強烈でエキセントリックすぎるということもあるのですが。そのためか、作者とともにあまり知られていないようで、翻訳されている作品数も少ないのですが、訳されているものはどれも水準以上のでき、ミステリが好きだけどまだ読んだことがないという方、ベイリーという名前、要チェックです。

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