投稿元:
レビューを見る
それにしてもケダモノ以上にスケベなユピテル。奥さんいるのに次々と若い娘を強姦していく。しかも、それを知った奥さんが嫉妬に狂って若い娘を殺してしまう。さからったのに力で負けてレイプされた挙げ句、ケダモノの奥さんに殺されるとは、あまりにもかわいそうな女性たち。
下巻の後半はローマ建国をめぐる神話というか、伝説。デュメジルが参照していたのもこの本だったかな・・・
投稿元:
レビューを見る
宇宙の始まりからアウグゥストゥス帝まで変身譚をモチーフに切れ目なくつなぎ合わせている。恋や怒りの感情などの心理描写は近代文学を読んでいるかのようだ。
投稿元:
レビューを見る
オウィディウスを挙げるに『愛の技法』だけでは足りないでしょう、翻訳で読めるものとして、この『変身物語』上下巻を。ギリシア・ローマ神話の集大成的な、巻の十五に及ぶ大小250もの物語。モティーフは、「変身」。ギリシア・ローマの神々は、いともたやすく様々な動物に「変身」していた。欲望の赴くままその場の都合で勝手気ままに、と言ってもいいほどに(天神ゼウスを筆頭に)。対して、自らの意志の否か応にかかわらず、神によって、あるいはその想いの(業の)深さによって、様々な動植物や星に「変えられた」人間たち。魂が易々と「他のもの」に飛び移る軽やかさと、二度と戻れない道程としての変化(へんげ)の重さ。水仙や月桂樹や蜘蛛や牛……それらが象徴するもの。(そのまま「古事記」に通じるものも)。詩人というよりは「物語る人」としてのオウィディウスを、存分に堪能できる。ギリシア・ローマ神話の概要や神々の呼び名(ギリシア語とラテン語と)に親しい方は、是非。
投稿元:
レビューを見る
[ 内容 ]
<上>
古代ローマの天成の詩人オウィディウスが、ストーリーテラーとしての手腕を存分に発揮したこの作品には、「ナルキッソスとエコー」など変身を主要モチーフとする物語が大小あわせて250もふくまれている。
さながらそれはギリシア・ローマの神話と伝説の一大集成である。
ラテン語原典の語り口をみごとに移しえた散文訳。
<下>
もの音ひとつしない静寂のなか、おぼろな靄に包まれた、嶮しい、暗い坂道を、ふたりはたどっていた。
もう地表に近づいているあたりだったが、妻の力が尽きはしないかと、オルペウスは心配になった。
そうなると、無性に見たくなる。
愛がそうさせたということになるが、とうとう、うしろを振りかえった。
と、たちまち…(「オルペウスとエウリュディケ」から)。
[ 目次 ]
<上>
世界の始まり
人間の誕生
四つの時代
巨人族
リュカオン
大洪水
デウカリオンとピュラ
ピュトン
ダプネ
イオ〔ほか〕
<下>
アケロオスとヘラクレス
ネッソスとデイアネイラ
ヘラクレスと死の衣
リカス
ヘラクレスの神化
アルクメネとガランティス
ドリュオペとローティス
イオラオスと若返りの恵み
ビュブリスとカウノス
イピネとイアンテ〔ほか〕
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
投稿元:
レビューを見る
2023/8/11読了
読めば読む程、ギリシャ神話は神(権力者)によるモラハラ、パワハラ、動物虐待(何かあるとすぐに動物を生贄にする)、近親相姦の横行する畜生道の如き世界だとしか、思われない。下民は、神に目を付けられたら“詰む”のである。