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母なる夜(白水Uブックス)

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紙の本

楽しむだけ、それで十分

2002/05/19 16:02

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:おぎ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「ありのままのわたしでいたい」というような表現がよく使われます。
 しかしここで疑問が生じます。「ありのままのわたし」とはどの「わたし」か? 「ありのままのわたし」とはどんな「わたし」か? つまり極言してしまえば、「わたしとは何か」という素朴にして根源的な疑問が浮かび上がってくるのです。
 人は社会(他者)と接するとき何らかの立場に立たされます。先生に対する生徒であり、生徒に対する先生であり、客に対するタクシー運転であり、といった具合に。意識的か無意識的かに関わらず、何らかの役割を演じなければならないのです。最近では自分を一つの商品とみなすかのごとく、自らが自らをプロデュ—スし、社会に売り出していく、ということが当たり前のように行われています。就職活動をしたことがある人にはよくわかるでしょう。それは世の中の矛盾を平らにし、日常生活をスムーズに進行するため、全ての人間に要求されます。言い古された表現ですが、世界は一つの舞台であり、各人はその上で行われる劇の登場人物を忠実に演じなければならないのです。たとえば、『桃太郎』の最初の場面で、桃太郎が亀に乗って川を泳いできたら、その劇はどうなるでしょうか? ある意味面白いかもしれませんが、他の役者は困ります。社会は表面上、このようにして成り立っているのです。
 しかし矛盾は矛盾として確かに存在し、世界はすべて合理的に割り切れるものではありません。役割を演じるということは、その矛盾に目をつぶり、人間という複雑なわけのわからない存在を半ば強引に単純化してしまう、ある意味不自然なことだといってもいいかもしれません。つまり元々人間の奥に潜む、不合理で透明な性質に無理やり色をつけてしまうことになりかねないのです。
 『母なる夜』には、演じすぎた男の悲劇が描かれています。それは自然、「舞台としての世界」を皮肉ることになります。この小説は他のヴォネガット作品ほどストーリーが奇想天外でもなく、宇宙人も出てきません。しかしそれゆえに、ヴォネガットの真摯な姿勢やメッセージが真正面から我々の常識に迫ってくるのです。
 21世紀の今日、最初に書いたような表現が無効になってしまうほど、「わたし」という存在が実体のないものだと心得ているわたしたちに、この小説はどんな意味をなしえるのでしょうか。そのさりげない文体からにじみ出てくる痛烈な皮肉が空虚に感じられるこの時代こそ一つの悲劇なのかもしれません。この作品を前にして、わたしたちは痛みつつも、ただヴォネガットの作り出す世界を純粋に楽しむしかないのです。

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