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暗い小説だ。読んでいるうちに眉間に皺が寄って来て、読み終えたあとは私もめちゃめちゃ暗い顔をしていたと思う。
主人公のデイヴィッドはパリでジョヴァンニと出会い結ばれる。
2人の間にあったのは愛なのか、好奇心なのか、それとも執着なのか。何にせよ、互いへの気持ちに食い違いがあったのは確か。
デイヴィッドは結局異性の恋人との人生を選び、ジョヴァンニは深く傷ついて悲しい結末に‥。
色恋沙汰っていうのは異性間でも同性間でもそう変わりはないのですね。
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[ 内容 ]
パリに遊学中のアメリカ青年のデイヴィッドはふとしたことから同性愛者の世界に踏み込み、ジョヴァンニと知りあう。
2人は安アパート《ジョヴァンニの部屋20》で同棲生活を営む。
やがてヘラとの結婚によってこの異常な生活は一応終わるが、デイヴィッドの歪められた性への強い執着に妻は去って行く。
[ 目次 ]
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☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
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☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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上質で圧倒的な、この世のすべてを見せつけるような、そういうものって、冒頭を読んだだけで、ああこういう、わたしがどれだけ頑張っても到達できない高みの、深さに裏打ちされた、もうそんな。ジョヴァンニの孤独も、ヘラの孤独も、なんかもう全てが薄暗い部屋の中で怯えていて、それが力のあるとてつもなく素晴らしい文章で書かれていて、情景は深い余韻のある正確な描写で、人物はユーモアと洞察力のあるすこし悲しい20世紀らしい描写で、ストーリーは破滅的で美しく、なんかもうこういったものがこの世に存在しているというただそれだけでわたしは救われる。