投稿元:
レビューを見る
まさか、この本のイメージが出るとは思わなかったなあ。
本書はもともと戦後の日本人統治をいかにするか、という課題に対する一つの参考として提出された論文を文庫化したもの。日本人論としてはかなり有名で、高校の日本史の授業では1度は耳にするもの。
本書が書かれた当時と今ではずいぶん世相が変わってしまったので、「これは日本人という名の我々とは別の国の人のことか?」と思わせるところは多数ある。論文のとおりの日本人を絵に書いたら、きっと侍や芸者や歌舞伎者が出来上がりそうだ。だが、ここそこにまだまだ失われていない「日本人らしさ」みたいなものを形を明らかにしているくれているところもあり、そのあたりは自身の「日本人的性質」を理解するにあたり、とても参考になる。
投稿元:
レビューを見る
日本の占領政策を決定付けた論文 歴史観が欠如してる等と言われ またタイトルが皇室と武士道をイメージしてしてしまうが 冷静に客観的に見ると 近代の東方見聞録ではないだろうかと思わせる。ただしかし 今私達が日本の退廃した精神を語るとき なぜかルース・ベネディクトが書き連ねた 日本人の道徳 貞操観念 などは日本民族の原理的な部分を評価したものではないのだろうか 少なくとも当時の日本のイメージスナップとしては評価できるのではないかと思う とにもかくにも これからの日本人にとってもう一度読んでみる価値のある本だと思う
投稿元:
レビューを見る
60年前の日本の社会が描かれている。ってぐらいしか言えない。ちゃんと覚えてないもんで。。。社会文化に興味があるから、それでも私には高ポイントの本。また読みたい本です。
投稿元:
レビューを見る
ある授業の教科書。教授の意見にそぐわぬ感想を提出すると評価が思いっきり下がるので、或る意味おもしろかったけれど、鑑みるに非常に不愉快で脱力する授業だった記憶しかないのが無念。第三章は、日本の歴史における世襲的階級身分制度について書かれている。社会的にも家庭においても年長の男が「長」であること、いわゆる男尊女卑が無意識のうちに脈々と受け継がれているということ。始終、日本人ってカワイソウ的視点の気がしなくもないが、生まれた時からそういう社会なんだから別になんとも思わない、というのは指導者の立場からすると思惑通りなのだろうか。
投稿元:
レビューを見る
1946年。日本論の古典として非常に有名。いまでも十分にうなるような日本人観を示しているところに驚きを感じる。
投稿元:
レビューを見る
昔の日本人像ってこんなのかな、こんなにも短期間で様変わりするものなのか、社会が人に与える影響って大きいなって、なんて当たり前のようなことを考えました。歴史の勉強にもなっていい本だと思います。ベネディクトはついぞ日本の土を踏むことなく他界されたそうですが、それでもここまでの分析をこなした弛みない努力と力に敬服するばかりです。
投稿元:
レビューを見る
これです。
大戦中に日本を研究しようとして、執筆したのは。
まあ、ちょっと中国と混同している様な挿絵もあったりするんですが、筆者は一度も日本に来た事がないってのには、ちょっぴり驚きました。
それで、これだけの事と調べ上げて執筆出来るのは、超優秀ですね。
アッパレです。
やっぱり、「敵」の事は研究し尽くさなければなりませんね。
投稿元:
レビューを見る
2008年夏手前に読んだ一冊。
珍しく購入せずに図書館で借りて読んだ本。
結構分厚くて外人が書いたのを翻訳してるせいか
回りくどい書き方されててさ・・・
最初の方は読むのが苦痛だった(笑)
読むに至ったキッカケは・・・
オレの嫌いな先生が薦めて下さったから・・・なんだけど。
この本を薦めてくれた●●さんは、
ウチの頭の固い法学部の糞つまらねー先生方の中で
一番センスが良いと思えた。嫌い⇒好きへ(笑)
この本は、日本人の考え方・行動・・・
ありとあらゆる処を
回りくどく皮肉ってる作品。
でもコレがまたウケル位素晴らしい出来なわけ!
この本、古〜ぃ本なんだけど、
今もその日本人のダメッぷりは
色褪せていないんだから・・・
流石、大日本人。
投稿元:
レビューを見る
我々ももはや知らない時代の日本が客観的な視点で描かれていて、勉強にもなり面白かった。
それにつけても何故こんなに派手な装丁だったのか。
投稿元:
レビューを見る
「もう一度視点を変えて学ぶ日本史」と副題をつけたくなる本。古代から戦後まで広く日本人の精神性を扱っていて深くから日本人を理解できる(ところどころ誤解と思われる場所もあるけれど)
アメリカ人類学者の視点から見た日本人ということで、暗黙の価値観が掘り起こされるという構図がなんだか新鮮かつ少し居心地が悪かった。
「義理」「忠孝」「身分」などいざ説明を求められたら返答に困るだろうテーマを扱っていた。海外に出る前に自分=日本人がどのように見られているのかということを知っておくためにも読んでおくべき本だといえる。
「刀」はともかく何故「菊」がタイトルにつけられているのが本文を読んで分かったときには、少し爽快な気分になれるかも知れない。
投稿元:
レビューを見る
敵国である日本人を対象として研究しているにも関わらず、文化相対主義的なものの見方で、日本人を捉えている点に、ベネディクトの人間としての深みを感じる。
また、彼女は一度も日本に足を踏み入れることなく、また日本語も十分に解さなかったようだが、それでいて、日本人の精神の深いところを把握している点もすごい。今まで自分が考えたこともない、ものの考え方を、嫌悪や偏見なく捉えられるというのは、もともと彼女自身に自分の文化を客観的に見る視点が備わっていなければ難しいことなのではないか、またそれを実践できる人間はとても奥深い人だと思う。
投稿元:
レビューを見る
昭和23年11月23日...
一度も日本に来た事の無い筆者が...日本人の生活を通して日本人たるものを「事細かく」書いている...
笑えるようで笑えない...
ギクリとして、冷や汗が出る様な...場面も
かなりクールに的確に?
昭和の時代までは何処にでもあった「日本の姿」でもある様な気がする...
でもでも...団塊の世代の子育てには...?
無くなっているかなぁ〜とも思う...
投稿元:
レビューを見る
たまたま実家にあって「歴史小説かな」くらいに何も知らずに読みました。
読んでみてびっくり。自分に当てはまりまくりで、いかに自分がどっぷり日本人だったかということを思い知らされました。
当たり前と思っていたことは違う場所から見れば当たり前じゃない、日本人ってそんなに謎な人たちだったのか、と目から鱗。
あたり前過ぎて考えたこともなかった価値観とか考え方についてよくわかった。恩の貸し借りについての考え方とか、自分の思考回路を解説されているような気になりました。
筆者は一度も日本に行かずに、文献や在米日本人へのインタビューでこの研究をまとめたとか。すんげー!
投稿元:
レビューを見る
190ページでキブアップ!!
しかし、アメリカ人と日本人の文化の違いが様々な場面を想定しながら解りやすく描かれていた。時代を経ても、なお当て嵌まる部分が多い。よく、実際来日することなくここまで的確に書けたものだと感心した。 そして自分自身がいかに日本人かということが分かった。
投稿元:
レビューを見る
戦争中の日本人研究における本書は、日本人の忠と孝、義理と義務、恥の文化など日本人のことについて研究する。本書が客観性たらしめているのは、作者が日本に来たことが無いという事実である。
戦前の日本人の生活態度が描かれており、戦前と戦後で日本人が何を得て何を失ったのか、ということを考えさせられる。
この戦前と戦後においての日本人の変化について、戦時中にもかかわらず筆者はこのように記している
「もし学校においても軍隊においても、年上の少年が年下の少年に、犬のように尻尾を振らせたり、蝉のまねをさせたり、他のものが食事をしている間中逆立ちをさせたりすれば、必ず処罰するということにすれば、それは天皇の神性の否定や、教科書から国家主義的な内容を除去することよりも、日本の再教育という点で、さらに一層効率のある変化となるだろう」
作者は、教育こそが日本人たらしめる思想を変えることになると予言し、事実そのようになったということに筆者の洞察力を見ることができる。