紙の本
地味すぎる・・・
2019/01/24 01:11
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投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
クローン生殖で世代交代するタイタンのマケンジー一族。ダンカンはクローニングのために地球に向かう。近未来の地球は技術も進歩して自然も美しい。ダンカンがかつての恋人の幻影に思い悩んだり、人間的なところが強調されていてクラークらしい不器用さ。終末近く「神を食うもの」の存在が慄きながら示唆されるのもクラークらしい。しかしいつものクラークらしい楽観が、この小説では陰っている。この未来世界は衰退に向かうことが予感されているし、ダンカンも再会した恋人に「蜜の味」がなかったと失望する。しかもこの小説のテイストがなぜか「地味」にも感じる。地味ではあるが自分はこの小説はクラークの数あるものの中でもかなり良いと思った。
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タイトルから主題が想像できようか?
タイタンからのクローン人間が母星地球に外交のため到着する。目的は4代目の自身のクローンを作ること。
でも主題は地球外知的生命体とのコンタクトを熱望するクラークの思いで満たされている。ガンガゼからアンテナを想像することが出来るだろう
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クラークにしては分かりにくい 特にパズルは・・
表紙 6点鶴田 一郎
展開 5点1975年著作
文章 6点
内容 630点
合計 647点
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23世紀、地球は月、火星、水星、金星、土星へと進出していた。主人公ダンカンは土星の惑星タイタンで育ち、2276年6月12日、地球の(アメリカの)建国500年祭に招かれ地球へと旅立つ。
最初訳文のせいかちょっと読みずらかったが、地球が太陽系に発展していった先の、母星地球と彼方のタイタン開拓地の人との関係性、というのがおもしろかった。さらに地球外生命体への希求もからませ、そこに「INPERIAL EARTH」(地球帝国)という題名の意味が伝わってきた。
母惑星地球に対して、開拓地土星。ダンカンはタイタン育ちということで、地球にいってばかにされまいと地球の事象への予習を行っている。アメリカの18世紀、19世紀が舞台の小説、例えば「若草物語」などを読むと、ヨーロッパに行く、ということが一種のあこがれとして描かれている。これと同じことが、開拓地「土星」と母惑星「地球」に対して起こっている、という設定が興味深かった。
しかしダンカンの故郷、軸足は生まれ育ったタイタンであり、そこに地球のような空気も草木も海もなくても、「タイタン人」として、タイタンの基準でこれからも生きていくのだ。アメリカがイギリスとは別個の個性として発展したように、「タイタン人」も地球とは別個の個性で発展していくだろう、という予感を残す。
ここでも23世紀の地球は、というか人類は産児制限を行い、宇宙へは行っているが地球はちょっと停滞気味、という描き方。そこにクローン技術や、宇宙への生命体への希求をからませている。
書かれたのが1975年。「電子ソロバン」なるものが出てきて、電卓のみならず、検索もできるように描かれている。これって今のスマホだなあ、ほぼ40年足らずで実現されてしまっているんだなあ。
ダンカンは暗褐色。しかしクローンで作った子供の手は青白い触手のようで頭は金髪。この意味は?
1975発表
1978.6.15再版発行 単行本 図書館
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ざっくり読み。ちょっとラブロマンス的なところがあって意外だった。
タイタン石のことなど、布石があったにもかかわらず回収されなかった伏線がけっこうあるのかな。全体にちょっとわかりにくく感じた。
いちばん驚いたのが、オリジナルの英国版は38章で邦訳版はこちらが底本なのだけど、アメリカ版は43章で、どうやらニューヨークあたりの描写がかなり書き足されているらしいということ。(英国版にはない章が、中間部に5章ある)英米版が単語レベルでちょこちょこ違うことはよくあるけど(ハリポタもタイトルがちがう)章立てからして大幅にちがうというのはめずらしいのではないかな。