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先日読んだ車谷長吉の「忌中」という短編集の中に引用されていた舟越保武の文章がすごくよくて、その中の「病醜のダミアン」という彫刻作品がどうしても見てみたくて、図書館で借りた。ハンセン病患者に神父として寄り添い、それでも自分はハンセン病ではないので「われわれにとっては~」と言えないことに呵責を感じ、患者とともに生活した10年の後、ついに病を発症しようやく「われわれは」と外からじゃない言葉を発することができた、と言うダミアン。そのダミアンの面立ちが病により崩れてしまった後の作品が「病醜のダミアン」。当の患者たちや関係者からの反対にあい、ついに表だって展示することはなかったらしい作品。車谷長吉の作品の中でも「奥にしまわれていた」というようなことが書いていた。今ではどうなのだろうか。「巨岩と花びら」という文章が素晴らしかったから作品を見たいと思った。生で見たら迫力あるんだろうな。
北海道には釧路に三点、展示されているらしい。
「長崎殉教者26記念像」、見に行きたい。
「信仰と詩心の彫刻六十年――舟越保武の世界」という本を読んだのですが、検索で出てこないのでこちらに書かせてもらいました。