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みんなのレビュー19件

みんなの評価3.7

評価内訳

17 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

この痛みは決して「遠い昔」の痛みではない

2003/01/25 21:51

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:岑城聡美 - この投稿者のレビュー一覧を見る

新訳の発行を間近に控えて、改めてこの名作を読み返してみようと思い立った。主人公ホールデンの無力なあがき、秘められた繊細さ故の暴挙、悲嘆。そうしたものが、初読時より十年あまりの歳月を軽々と越えて、と言うよりは、むしろ「大人の世界」に格好だけは両足を踏み入れてしまった今だからこそ、一層鮮烈に響いてくる。
ホールデンは、人が社会に順応して行くにつれ、目をふさぎ、感覚を鈍磨させてやり過ごしてきたあらゆる感覚的矛盾に鋭敏に反応し、反発する。社交辞令やその場しのぎの会話の虚しさ、不全でありながら形だけは成立したように見せかけるコミュニケーションの愚かしさ、形骸化した芸術等々。あまたの人間がまともに生活していくために、ほとんど無意識のうちに丸呑みにし、見えない振りをしてきたまやかしや矛盾の数々を、彼の言動は逐一掘り起こし、読む者の眼前に突きつける。頁をめくるたびに新たな痛みが読む者の胸を刺す。生きるために一体自分は何をごまかし続けてきたのかと、思わず自問せずにはいられなくなる。
彼、ホールデンの、内面に無垢を抱えながら外の世界との軋轢に苦しむ様は、決して少年期の通過儀礼として過去に葬り得るものではない。むしろその時期を過ぎた、いわゆる「大人」が読んでこそ、この作品がはらむ真の痛みを実感出来るのではないかと思う。
ホールデンが唯一、無垢なままの自分で接することが出来る妹、フィービーとの美しいラストシーンに、ようやく救われたと言う安堵感を得て、本を閉じた。それでも、彼があの「無垢な世界」に安住することは叶わないのだと言う暗澹たる思いが後に残る。美しい世界に安住出来ないのは彼ばかりではない。「大人」であるはずの自分も、彼と同様の痛みに耐えていかなければならないのだ。「成長のための痛み」は、決して16歳の彼ばかりのものではない。

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