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エルミタージュの本当の主。ロシアという国は未だに彼女の前の時代から今に至るまで変わらない所があるのかもとも感じられる。
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皆さんはロシア史に興味がおあり?僕は全く無い。その僕が結構夢中になって、読み続けたのだから作者の力量は凄い。因みに上巻はエカテリーナ(ゾフィー)が生まれてロシアに嫁いでクーデターを起こしイヨイヨ即位するまで。
狂言回し役のピョートル3世もいい味を出してます。恐らくですが、皇国の守護者の佐藤大輔氏も本著を参考にしてるんじゃないでしょうか?
結構オススメです。
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ドイツ生まれ.ロシア正教の洗礼で、エカチェリーナに.
ロシア社会に接するためロシア語、ロシア正教を学び、ベヴォールテールやモンテスキューら啓蒙思想家の哲学を身につける.
夫を帝位から追い落とすが、その正当性は2点.
1)ロシア正教を異端から守る.
2)強い「カクカクたる」ロシア.
上巻は帝室入り、ビョートロ大帝との結婚と結婚生活、クーデター、政権揺籃期を書く.
このあと貴族への政策提示、改革が下巻のストーリー展開か.
貴族を相手に、女帝が政権を維持した要素.啓蒙思想家としてのカリスマ性か.
一部、貴族をして支持と理解の必然化をうかがわせる点が、示されている.地方役人の適正配置が必要なときに、元老院議員は「いくつ地域政府があるか」下問に答えられなかった一場面.
なにやら、徳川吉宗をおもいおこさせたが、女帝の啓蒙思想ばかりではなく、「あるときは懐柔しあるときは断固たる態度をとる」「寛大でもあるが警戒もおろそかにせぬ二重の方式」(269p)を、カリスマ性の裏付けと理解しておきたい.
本書を読みに、一定の既存知識が必要か.
記載構造が緻密で、文脈を追い続けることと理解度には、いささかの乖離を生じやすい.
その溝を、接続するには既成の理解がないと、なかなか取り付けない.
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『大尉の娘』からの流れで、『女帝エカテリーナ』。没後10年を迎へたアンリ・トロワイヤの登場であります。
エカテリーナ二世(最近の表記は「エカチェリーナ」が主流らしいが、ここでは本書の表記に従ふ。また原著では「カトリーヌ」になつてゐます)は、帝政ロシアの女帝。在位1762-1796。生誕名はゾフィー。ウルトラマンを助けに来る宇宙人とは無関係。
元元彼女はロシア人の血を全く受け継いでゐないし、特別な家柄でもなかつたのですが、伯父に当るカール・アウグストなる人物がかつてピョートル大帝の娘(後の女帝エリザヴェータ)と婚約者だつたといふ関係がありました。カール・アウグスト自身は直ぐに死去してしまひますが。
その縁で、エリザヴェータ女帝時代に、その後継者と目されたピョートル三世の嫁として白羽の矢が立つのでした。ゾフィーはエカテリーナとなり、ロシア正教に改宗します。しかしこの結婚生活は幸福なものではなかつた。
エリザヴェータの死後、夫のピョートル三世が即位しますが、彼はプロシアの方ばかり顔を向け、ロシアの国益を無視する政策ばかりだつたので、民衆の不満は爆発寸前。エカテリーナは世論に押されるやうな形でクーデターを敢行、自らエカテリーナ二世として即位するのでした......
いやあ、やはり評伝小説は面白い。可憐な少女時代から、権力の凡てを握るまで、エカテリーナはぶれません。目的のためには、あらゆる権謀術数も厭わない。しかし表面上は汚れ役から距離を置き傍観者を演じます。しかし愛人関係はだらしない。
特に息子のパーヴェル夫妻に対する態度は、かつてエリザヴェータ女帝から自身に向けられた仕打ちそのもので、歴史は繰り返すとはよく言つたものであります。
孫のアレクサンドルに権力の座を継がせる目的を達せないまま、自身は力尽きますが、死後数年経つて結局大望を実現してしまふところは、まるでドラマのやうな展開と申せませう。
改めて、アンリ・トロワイヤは良い意味の通俗小説家だと勘考します。工藤庸子さんの翻訳も素晴らしい。否、別に原書と突き合はせて読んだ訳ではありませんがね、多分素晴らしいのです。うむ。
http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-717.html
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積読消化で、エカテリーナ二世の伝記。本人の回想録や書簡等を元に出生から大公との結婚を経てクーデターを起こし政治を仕切るまでが上巻。原註があるのに半分近く読んでから気づいた。
ドイツ人の小貴族の娘だったゾフィーが大国ロシアを収めるようになるが、運半分実力半分という感じでロシアに来てからエリザヴェータ女帝が崩御するまでが一番大変な時期に思える。
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上下2巻の一大叙事詩。ヨーロッパ諸国に比べて近代化の遅れたロシアに、他国生まれでしかもクーデターで夫=皇帝を追い落とした人物が絶対権力を保持して近代化を進めたという事実にまずは驚愕します。しかも女性ですからね、この時代に!