紙の本
ダルジール警視シリーズ第7作
2001/09/26 21:45
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投稿者:ケルレン - この投稿者のレビュー一覧を見る
陶器会社の会長で、ダルジールの知り合いでもあるエルグッドが、パスコー警部のもとに奇妙な訴えを持ち込んできた。最近社員が相次いで死に、自分も命を狙われたと述べ、どれも同僚の一人であるアルダーマンが、事故に見せかけて次々に殺しているというのだ。誰もが馬鹿げた妄想だと思い、実際どの事故にも特に不審な点は見つからなかった。しかし、パスコーはどことなく腑に落ちないものを感じ、アルダーマンの生い立ちを調べていくと、彼の苦境を救うことになる都合の良い死が、過去にいくつもあったことが明らかになる。
控え目でもの静か、会社の仕事の面では出世欲も才能もないが、何事にも動じることなく薔薇作りに情熱を注いでいるアルダーマン。そして、世俗的な成功を手に入れ、女にも不自由しないが、いつも漠然とした不安を感じているエルグッド。この二人を対比させることによって、人生の幸福とは何だろうという古典的な問いが、皮肉とユーモアの中から滲み出てくる。
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古本屋で綺麗な題名だなーとか思って購入。
95円だったし。
うーむ、よく分からないぞ。という感じ…
結局半分も読まず挫折。
文が硬すぎる。
こんな生真面目な小説は読めないんだなぁ…と気付いた。
もうちょっと大人になれば面白さにも気付けるかもしれない。
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ダルジール警視シリーズ第7作目の作品。昔はヒルの良さがわかりませんでしたが、『闇の淵』から理解できるようになったみたいです。じわじわ流れる日常が少しずつ変化して、ある時に世界がグンニャリしてしまうような感覚を味わうことができ、それが病みつきになりそうです。謎解きミステリ作家だと紹介されていたから期待はずれと感じていたんでしょうね。
当社の社員の一人の男が自動車事故や心臓発作にみせかけて連続殺人を行っているのではないかと訴えがその会社会長からあった。その理由は、彼らが亡くなっていることで、普通のありきたりな能力しか持たない、ある会計の男が出世しているからだとのことだった。バスコーは気になって、その男の周囲をかぎ回ってみたところ、他にもそれらしき死亡事件があることがわかる。その誰が見ても目立たない善良な薔薇を愛する男が、殺人を行ったのか、決定的な証拠を掴もうとするのだが…。
展開がゆったりで殺人も起きないので読者を選ぶのでしょうが、人を疑うことについて身もだえするような感覚を味わいたい人には絶好の作品。ああ、そういうオチですか、とラストに少し唸ってしまいます。☆☆☆☆です。
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ダルジール警視シリーズ5作目。
今回はダルジールは出張に出かけているため、
メインはパスコーと部下たちが奮闘します。
インド人の新人くんも大ハッスル。
過去にあった数件の死亡事故。
すべてが一人の人物の有利に働くように起こっている。
しかし、不審と思われる報告は一切残っておらず、
あくまで事故として終わるはずだった…
前作同様、推理色は弱い。
でも、人間模様は面白い。
そして、結局、ダルジールはすごいんじゃないか?という結論になるw
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ミステリー色は少なめだが、人物描写が素晴らしくて、犯人が誰なのか、どうなるのか、最後までハラハラドキドキした。