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上橋菜穂子さんがおすすめしてたことと、大好きなルグウィンのお母様が書かれた作品とのことで手に取った。
はじめの方は民話を読んでいるような気分になる文章だけれど、中盤から急転、悲しい事実を淡々と語る口調にはかなり心が揺さぶられた。
実話を元にしているというのが更に悲しい。
でも読む価値のある本だったと思うし、技術だけは発展した現代の社会に生きる自分について考えさせられる点でも、読んで良かったと思う。
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『インガルス家の物語』の裏側、最後の野生インディアンの話。合衆国の最南部だが海に無縁のヤヒ族の土地に、ある時から馬で白人が押し寄せて川を荒らし鉄砲猟で鹿を山に追いやった(ゴールドラッシュ)。インディアンを殺し頭の皮をコレクションしていた。怒りのあまり彼らの宿舎に放火した青年は射殺されたが、主人公イシは遺体を取り戻し先祖の洞窟に横たえた。残ったヤヒ族7名は、見つかりにくい「熊の洞窟」に移り白人をやり過ごすことにした…/彼は居留地に“保護”された人々を「あんな太った奴ら」と軽蔑して会おうとしなかったが、6頭立て馬車(現在の重機にあたる)操縦の重労働するさるインディアンとは友人になった。
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読む時間がたくさん取れるようになった中で、最近心に刺さった本。
白人に追われ、アメリカ最後の野生のインディアンとなった彼の数奇な運命を淡々と綴った児童書。白人の世界で友を得てもなお孤独であり続け、その孤独さえも受け入れた精神性は哲学そのものであった。