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ハーメルンのふえふき ドイツの伝説 みんなのレビュー
- アンネゲルト=フックスフーバー (絵), おざわ としお (文)
- 税込価格:1,540円(14pt)
- 出版社:偕成社
- 発行年月:1985.12
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絵本
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紙の本
口約束も約束のうち。
2002/06/01 06:18
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投稿者:ゆきな - この投稿者のレビュー一覧を見る
「笛の音を聞いてみたい!」
幼い頃、このお話と出会ったとき、単純にそう思いました。
親になった現在、再び読み返すと なかなか奥深く考えさせられるお話です。
13世紀(800年ほど前!)から、北ドイツハーメルン町で語り継がれている伝説、
「ハーメルンのねずみとり男」
130人ものこどもが町から姿を消してしまうなんて、
なんとも奇妙な話ではありませんか!
お話の中には、大人のズルイ部分がはっきり書かれています。
市長はその代表的な存在です。
口約束とはいえ、金貨百枚でねずみ退治をお願いしたのに
退治したあとも、お礼をしぶる市長。とうとう ふえふき男は、こう切り出します。
「町にはネズミは、もう一ぴきもいない。
市長、あんたは お礼を、だすのか ださないのか?」
「ネズミとり男よ、全市民と市会議員の名において、お礼は ださない!」
このことばをきいて ふえふき男が立ち去る場面、
闇のなか振り返り こちらをじぃーっとみつめる姿は印象的です。
口約束とはいえ、約束は約束です。
特に、人の上に立つような立場のひとが その場の感情や
目先の損得で カンタンに約束を破ってしまったり、
なにか不都合なことがあれば、責任転化して その場をしのいだりする。
それは許されないことなのだと お話は語っているような気がします。
こどもがひとりもいない町。
考えただけでもおそろしく さみしい光景です。
最後の場面をみると、町は真っ白な雪におおわれて描かれています。
未来や希望、輝ける部分を失った町は、
真冬のようにつめたく凍りついた状態だったのでしょう。
カバー部分に書かれている 小澤俊夫先生のことばによると、
こどもたちが連れ去られた通りを“音楽禁制通り”といって、
今でもそっと通ることになっているのだそう。
ハーメルン町、いつか訪れてみたいです。
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