投稿元:
レビューを見る
医学の歴史を時代順に概説する。初学者向け
読了日:2007.7.14
分 類:教養
ページ:218P
発行日:1985年11月発行
出版社:朝倉書店
評 定:★★+
●作品データ●
----------------------------
テーマ : 医学史
語り口 : 教科書
ジャンル: 教養
対 象 : 初学者向け
雰囲気 : 高校の歴史の教科書風
翻 訳 : 酒井シヅ・深瀬泰旦
---------------------------
---【100字紹介】---------------------
1928年にシンガーによって初版が出され、
以降改訂を重ねてきた本書を、
新たにアンダーウッドが加筆・修正を行なった、
歴史ある医学史の初学者向け教科書。
内容は時代順に記述されていて、図版も多く分かりやすい
---------------------------------------
--オリジナル・データ-------------------
A Short History of MEDICINE
By Charles Singer and E. Ashworth Underwood
second edition
© Oxford University Press 1962
---------------------------------------
更に医学史を持ってきてみた菜の花です。何か最近、学生っぽくないですか?もう、学生じゃないですけど。
前回は一般教養書っぽいものでしたが、本作は思いっきり教科書。これを使って高校辺りで授業しててもおかしくないくらい教科書です。配列も時代順で、図版が多くて、それぞれの時代と場所を明確にしています。基本的に解説は人中心。人名がぽんぽん出てきて、「その中にあって誰々は…」という感じ。まるで高校の歴史の教科書そのものですよ!
翻訳ものなので、ちょっと日本語が読みにくいです。何というか、いかにも訳した感じがあって。そうなんですよね、最近菜の花も英語の小説を読みながら翻訳をしてみているのですが、英語と日本語って語彙が違う、語順が違う、だけの差ではなくて、最初の発想や思考順序が全然違うんですよ。勿論文章には教科書とはいえ、書いた本人の文化的背景がにじみでてしまいますから、ますます日本語にすると全く同じようなニュアンスにはならないのです。何というか、違和感があります。
その読みにくさでちょっと評価が下がっていますが、これは著者の責任ではないのでちょっと申し訳ない感じ。ところでこの著者、シンガーがファーストネームで、アンダーウッドがファミリーネームじゃありません。100字紹介に書いたように、チャールズ・シンガーが書いていたものをE.A.アンダーウッドが改訂したものです。念のため。
---------------------------------
文章・描写 :★+
展開・結末 :★★★+
簡 潔 性 :★★★
独 自 性 :★★★
読 後 感 :★★+
---------------------------------