投稿元:
レビューを見る
幻想小説になるのだろうか。
読後感が不思議だ。
妖しい世界に迷い込んでしまったような感覚。
収録作の中では、『花妖記』と表題作の『うつろ舟』が秀逸。
結局、どういうことなんだろう?と想像してみるのが楽しい。
投稿元:
レビューを見る
神保町で購入
1つの短編に自然に超自然的な現象が入っており
そのうえで不可思議な出来事を語る手腕は流石
また短編の中にいくつもの話が同時に入っており
重層的な入れ子構造になっているのも面白い
投稿元:
レビューを見る
妖しく官能的な8編の短編集。
古くから伝わる土地土地の伝説のような話にぞくぞくしてしまう。
欲望渦巻く男心を巧みに操る妖し。
古女房の顔を若い美女のものと交換したかと思えば、自分の女を賭事に使ったり、そんな気は全くなかったのに美女と共に出奔してしまったり。
表題作に出てきた法文「諸行無常/是生滅法」が特に印象的だった。
この世の出来事は全て無常で変わり続け、生じたものは必ず滅びる。
これぞ世の中の理。滅びるから人はまた欲する。
不可思議な現象も心静かに受け止めて、また生きていくことは人間の性なのだ。
男心を狂わすものもまた然り。
いつの世でも繰り返す。
だから人の世はこんなにも面白い。