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初めて読んだときボロボロ泣いたのをおぼえてる。
深い、深い赦し。
なぜそんなことが可能なのか。いや、本当に可能なのか?
二、三日ぐるぐる考えていた。
やはり、深く傷つきながらも、息子の中にひそむ刃を感じていたのかもしらないな、という気もする。
そこがメインではないのでくわしく描かれてはいないのだけど。
あくまでも視点はケートによりそっているのだけど、大人の弱さも余すところなく描かれている。そこが好き。
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ケートは母方のおばあちゃんの家で母と兄ふたりと猫のシロップと住むが、自分はボブ伯父さんの亡くなった日にケートは生まれた事を墓石から知る。ボブおじさんと何も語られない父の事、そして行ってはいけないと言われているサティン入江にはいったい何があるのか・・。
平凡でも満ち足りた日常の中に少しずつ見え隠れするミステリー、そしてそこには人間の光と影の部分も描き出されて、ピアスらしい深い作品でした。
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好きだった人の弟と結婚した母。そろそろ家族よりも恋人と過ごす時間が増えてきた兄。細く開けたドアの隙間からすべてを見ている祖母。なんとなく不安なケートの日常。
ある日、一通の手紙でおばあちゃんと母が動揺。お父さんのものだと思っていた墓石がなくなる。
最終的にケート一家は再生してハッピーエンド、だが、もう一人のおばあちゃんの存在が重要で、ピリリと引き締まる。
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祖母と母と兄二人、そして猫のシロップと、おおむね平和に暮らしていたケート。自分の生まれた日に亡くなったということ以外聞かされていないパパのお墓を発見してからは、家族に内緒で時々訪れていました。
そしてある日、おばあちゃんのもとに一通の手紙が届いたことから、物語が動き出します・・・
ひとりでがんばっちゃうケート、すごくかっこよくてたまらなく愛おしくて、応援せずにいられませんでした。
クライブの丘での決意したようなひとり言に胸がぎゅうっとなりました。話をまじめに聞いてもらえなくて泣く場面ではシンクロ率300%・・・(なにゲリオン)末っ子あるあるですよね。
家族につくちっちゃいウソ、そりすべりの後の温かい室内の安心感、いちご狩りの午後のジャムを煮る匂い・・・そして猫のシロップのこと。
ギミックが素晴らしいミステリーですが、登場人物たちの日常や心の動きも細かすぎるほどにしっかりと描かれており、それらの描写の素晴らしいことといったら。
子どもをバカにしてませんか?という意味での<子ども向け>要素が全然ありません。ピアス作品のそういうところがすごく好きです。
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子どもの心の小さな動きを見逃さない作家なのです。
ピアスさんは。
ある朝、紫色のインクで書かれた、宛名もない手紙が届く。其の手紙が届いてからの、母と祖母のおかしな感じ。
そして、自分だけが知っている父の墓のなぞ。
大好きな兄のランに話しても、取り入ってもらえず、ケートは一人、この謎を心に抱えていた。
そしてある日、父の墓が消えてしまう…
意外な展開は、まるでミステリーのような作品でした。
シロップ という名のステキな猫さんが登場します。
とっても重要な役なのです
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子供が読むにはすこし難しい本かなっと思ったけれど、きっと、子供の社会の中には、大人がまだ早いだろうと思うようなことでも、すでに、気持ちは目を背けるよりもちゃんと向き合うような形ができているのではと思いました。
自分が幼い頃にそうであったように、子供たちは、大人の会話の中で少しでも心配事があると、一日中、何日でも悩んでしまうのでしょう。
この本は、とても奥の深い真剣な本であると思いました。