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紙の本
何気ない散歩からはじまった面白い展開
2023/08/01 15:20
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この短編集に収められている「逸民」という作品が1986年に川端康成文学賞を受賞している、散歩の途中で出会った男性との邂逅といった趣の作品なのだが途中からちょっと気味の悪い話も登場する私が好きな流れの作品だ、作者はこの短編集の後記で「私は将来小説書いていくべき小説の流れを3筋に分けようと決意した」と言っている、聖書を基にしたもの、故郷大井川流域を舞台にしたドラマ、そして実際の体験、交際、見聞に多少の潤色を加えた私小説風、この短編集のほとんどはその3つ目の流れに沿うものということになる、「逸民」もそれに当てはまる。ただ散歩をしいるだけの主人公が面白い人に、場面に出くわすわけだが、主人公に好奇心がないとこうはいかない、同じような場面に出くわせても私ならおそらく、「あ、そっ」と通りすがるだけだろうな
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