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タイトルの通り本当に空間も時間も遠いところから
少しづーつ緻密に迫っていくところ、
とくに最後のほうは一気に読んじゃう面白さだった。
最後の言葉が場面とともに心に残る。
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一家を自営業で切り盛りしていた、職人の主人公が、
体格や年齢に見合わず、教育招集され、そのまま本招集=赤紙が来ます。
しかし、教育招集の初日の検査の時に、顔見知りの係員から
「あんたが招集されるなんて・・・ハンドウをまわされたな」
というような一言から、作為的な招集ではないかと疑問を持ち始める。
そのうちに理不尽な軍隊生活で「ハンドウ」の意味も理解し、
自分が何故招集されたかが見えてくる。
前半はもろに戦争ものなんですが、
そこから後半が一気にミステリーというかサスペンス劇場というか。
古い作品なので、今とは手法が違うのか。
結構最初っからネタを明かして進んでいくのが、
最近のミステリーとはちょっと違いますね。
でも、それがつまらないわけではなく、
話が出来過ぎですが、どういう結果になるのか、
という意味では面白いです。
ただ、そのネタ自体は凝ったものではなく、
えーっ、それおかしくね?とかいうところから、
もろに崩れて行きました。
動機に関してはちょっと府に落ちない面はあるのですが、
すごい執念見たいのを刻々と書いてて、最後の方は急に頭がきれる
人になっていきます。
今となっては、ミステリー部分はおまけ的な感じで、
当時の招集や軍隊のあり方、終戦直後の描写の方が読みごたえがありました。
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題名の通り。長い長い復讐劇。赤紙一枚で妻と子、両親と離れ離れになる。誰が、赤紙を出したのか。「ハンドウをまわされたな」と、伍長はいった。
この赤紙は、ツテと金さえあれば出されずに済んだという事実を知ったのは徴兵された後。軍でも山尾は「ハンドウ」で殴られた。
朝鮮行きがきまり、軍隊への反感や不平等さに不平不満な毎日。
赤紙はお宮から出されていると思ってた?それとも軍しれから?いいえ、役所です。お茶を呑みながら、名簿に適当な紙を挟んでいく。伝票を書くように、流れるように作業が行われていたそうだ。その紙を挟まれた人の家族がバラバラになることも死の宣告であっても。そして、然るべきながら汚職も沢山あった。教育訓練に出ていない人間をチクる奴もいた。つまり「ハンドウをまわされる」のだ。
前半は長い。後半は一気に接近する、そんなサスペンス小説だ。