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郷廻り、代官、郡奉行、郡代と農政畑から執政の老中、家老へと上り詰める。全編暗いのは、経済的に疲弊していく武家社会と重なる。
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途中で読みやめることができず一気に読み上げた。
予想外の展開、予想以上の展開。
そしてしばらくこの文章に浸りきってしまった。
ビジネス(執政)はこの時代から変わらぬもの。
現代と同じような政治(会社も)がここでも繰り広げられていた。
それを知ったこともまた新たな勉強だった。
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思わぬ運命をたどっても、どんな道をたどることになっても人間臭さからは逃げられないのだろうと考えさせられた。何気ない一文の中にも、はっとさせられたり、思わず目が留まることがあって築けば一気に読んでしまった。特にラストは何度も読み返した。
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久しぶりに藤沢周平作品。
あらためていうまでもないが、やはりおもしろい。
とくにこの作品は、ミステリーの要素満載。
とてもスリリングで、一気に読んでしまう。
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予備知識無しで読み始めたら止まらない止まらない。
上下巻2日で読んでしまった。
これもやっぱり現代に通じるものがあって、色々思いながら読んでいた。
「あのときこうしていたら、どうなったかな。今と違う人生を歩んでいるのかな」
誰しもがそう思うことがあるだろうけど、自分が後に人生を振り返ったときに、そう思える出来事がどれくらいあるだろうな。
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主題は興味深いし、胸を打つ物語ではある。が、現在と過去のエピソードが交互に語られるという構成が あまりに技巧的すぎて、不自然な気がする。
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かつては同じ道を歩んでいた少年たちが、大人になり、やがてそれぞれの道を進み始める。
平凡な生活を続けるもの、高い地位まで上りつめたもの、落ちぶれた生活を送るもの。
堅い絆で結ばれていたはずの少年たちの間にも、憎しみや悲しみが生まれる。
時代小説ではあるものの、そこにある感情は今の時代となんら変わりはないものだと感じた。
繊細なタッチで描かれた心情や風景は、美しくもあり悲しくもあった。
数奇で儚い人生模様に強く心を打たれた作品だった。
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正直な感想を言えば、私の感性にはまったく響いてこなかった。どこが傑作なのだろうか、とうとう分からずじまい。 主人公にも感情移入できない。人物造形が浅い感じがする。
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5人の武士が青年から大人へ。道場では横一列だった関係が大人になり身分・家柄の違いから様々な生き方を強いられる。
主人公は、それらに抗い、出世をし筆頭家老になるが、そこに本当の幸せはあったのか。
藤沢さんの作品はかなり読んできたが、5本の指に入る傑作。
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かつての軽輩の子は、家老職を占めるに至る。栄耀きわめたとはいえ、執政とは孤独な泥の道である。策謀と収賄。権力に近づいて腐り果てるのがおぬしののぞみか、市之丞は面罵する。又左衛門の心は溟い、執政などになるから友と斬り合わねばならぬのだ。逼迫財政打開として荒地開墾の鍬はなお北へのびている。
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市之丞も,彼なりに自分の人生に決着をつけたのだと思う。
「なに,よくやったさ」「二人ともな」に泣けました。
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同時期に道場に入門した五人の仲間は各々の道を歩み、時代は移ろう。逼迫した財政を救うため、藩の長年の悲願だった太蔵が原開墾に向け、邁進する又左衛門。だが仲間でさえ策謀と裏切りを経て手にした権力の座は、孤独であった…。人生の晩年期に誰もが胸に抱くであろう郷愁と悔恨を、あますところなく描いた長篇。又左衛門は仲間を踏み台にして得た権力の座を、非難するかっての親友市之丞の真意を、聞き出そうとするが行方が掴めなかった。権力を私利私欲の為に費消したとは思ってないが、権勢欲があり正義ではない事を実感していた。
軽輩の子隼太こと又左衛門の人生回想、上席家老にまで上り詰めるが、出世せず泥だらけになり働き、嫁とも和気藹々と話すかっての同門をうらやましく思う。
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読んだきっかけ:奥さんが持ってた。
かかった時間:12/25-12/25(1日)
あらすじ: かつての軽輩の子は家老職を占めるに至る。栄耀極めたとはいえ、執政とは孤独な泥の道である。策謀と収賄。権力に近づいて腐り果てるのがおぬしののぞみか、市之丞は面罵する。又左衛門の心は溟い、執政などになるから友と斬りあわねばならぬのだ……。逼迫財政打開として荒地開墾の鍬はなお北へのびている。(裏表紙解説より)
感想: 面白かった。
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主人公・又左衛門(隼太改め)は旧友と対決。爽やかだった青年たちが権力闘争をするのは正直な姿かも知れません。主人公が心の中で、一番純粋だったのは「厄介叔父」のまま一生を終えた市之丞だったかも知れないと思う場面は会社生活も終盤になった今の自分に照らし痛いほど分かるように思います。今から過去のいくつかの時点を振り返るという手法で一気に読ませる技術は秀逸ですが、やや分かりづらいかも知れません。
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突拍子もない発想かもしれないが青春映画の古典『ビッグ・ウェンズデ―』を思い出した。江戸時代の侍達と60年代のカリフォルニアに集うサーファーの何処に共通点があるのかと問われれば答えに窮するが、恐らく共に青春の残照を時々懐かしみながらも前に進まざるを得ない、過去から未来にしか流れない時の流れを描いた作品と言えよう。水曜にやって来る世界最大の波に相当するのが本作に出てくる大蔵が原という未開の荒れ地である。変わらざるを得ない者と変わらないものの対比が作品に深みを与えている。映像の方も無性に見たくなった。ググるか!