投稿元:
レビューを見る
ビートたけしの浅草芸人時代の記録でもあり、同時に浅草、そして芸人というのはどんな生き物であったかの記録。芸、仲間、そして師。騒がしく猥雑な中でいつも見える悲しさ。
投稿元:
レビューを見る
入院中に読んだ本。ビートたけしの浅草キッド。いわずもがな、ビートたけしの一番最初の物語。フランス座に飛び込んだ理由、そこで出会った師匠、深見千三郎の芸人観、そして、漫才の道に飛び出すまでが描かれています。
ビートたけしの基本的な価値観は、きっとこの浅草にある、ということ、そして今でもきっと深見千三郎さんのことを師匠として捉えているんだろうな、と感じました。現代とは時代がもう違いますが今も浅草に流れる空気と、そこに生きる芸人としての気高さ。軽い文体なので、1時間ほどで読めます。
抜粋は以下。一番最初が一番印象的です。
----------------------------
オレは帰ってきたんだ。いや、この街が、今までオイラの来ることを待っていやがったんだ、チキショー。なんでえ、そういうことだったのかよ。手間あ、とらせやがって。もっと早く気がつきゃあよかったんだよな。なんでえ。何を迷っていたんだろう。今まで何処をウロチョロとほっつき歩いていたんだろ。バカヤローめが。
夕暮れた浅草の街並みを一人歩きながら、オイラは勝手に感激していた。
投稿元:
レビューを見る
ビートたけしが、
大学を中退し、ふらりと浅草に流れてきて、
ストリップの浅草フランス座に転がり込み、
深見千三郎師匠の下で、芸人修行を行ぅ中で、
ビートきよしと共に、ツービートを結成した、
1972年、25歳の頃の自伝エッセイです。
1988年上梓の本作品は、1984年の、
『たけしくん、ハイ!』の作風が引き継がれ、
少年時代の『たけしくん、ハイ!』に対して、
青年時代の『浅草キッド』といぅ感じかな…。
今となっては、多少、粗削りな印象ですが…、
まぁ、それも含めて、いぃ感じです…。
本作品は、ビートたけしのお話ですが…、
一方で、「幻の浅草芸人」とも呼ばれる、
深見千三郎のお話、でもあるでそぅか…。
ここで、本作品を、
改めて読もぅと思ったきっかけは、
又吉直樹さんの『火花』でした…。
例えば、
NSCなどの芸人の「学校」が登場して以来、
師匠と弟子といぅ関係の希薄化が顕著となり、
芸人さんの質も落ちてきたと感じられる中で、
『火花』からは、その一端が垣間見れました。
これに対するノスタルジアを、改めて…。
とは言え、長らく積読状態となりましたが…、
先日、ビートきよしさんの自伝的エッセイの、
『もうひとつの浅草キッド』が上梓されて、
その前に、読んでおかなぃと…といぅことで。
舞台は、もぅ、40年前のことですからね~。
5~60代の方にはノスタルジックでそぅが、
それ以下の世代にしてみれば、
何周か回って?、逆に新鮮な感じかな~とも?
とにかく、全編、ザ・下町人情!って感じで、
改めて、ほっこり、あんぐりなお話でした!?
面白かったです!
とりあえず、NHKでは、
黒柳徹子さんの『トットチャンネル』が、
4月から、ドラマ化されたことですし…、
本作品も、『たけしくん、ハイ!』以来の、
ドラマ化も、して欲しぃかも…。