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ウパニシャッドの方が面白いですよ。
いっそ素直に、リグ・ヴェーダの謎の歌でもいいと思うんですけど。
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インドの哲学者シャンカラ(700-750)の著作『ウパデーシャ・サーハスリー』の前田専学氏による全訳。
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仮面の仏教徒と呼ばれた、ヴェンダーンタ学派シャンカラの不二一元論。物質世界は無明によって誤って想定されたマーヤー(幻影)のように虚空であるとし、梵我一如を説く。ウパニシャッドの解釈学としてのヴェンダーンタ学派の根本聖典「ブラフマ・スートラ」の実在論的一元論を幻影主義的一元論と再解釈した。不二一元論はウパニシャッドの梵我一如思想への回帰である。
梵我一如の思想はウパニシャッドに始まる。またウパニシャッドに於いて業・輪廻・解脱の思想が明確化された。
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古代インドのウパニシャッド哲学はほんとうに面白い。
この本は中世8世紀のシャンカラによるもので、古代の聖典に注釈を加えながら、解釈上の一派をなした人物と思われる。
それにしても、ブラフマンとかアートマンという、きわめて抽象的であって、形象も何も伴わない概念が、インドという国で連綿と伝わってきたということに不思議を感じる。われわれから見て、これらはいかにも漠然とした概念なのだが、古代から中世にかけてのインドでは明確に哲学の中心概念であったということが神秘的だ。
しかし、単に神秘なのではない。特にこの本の後半の「散文編」を読めば気づくように、なかなかに研ぎ澄まされた論理構造が、この哲学には含まれている。
訳文にふつうに出てくる「主体」とか「統覚」とかいった語は、西欧哲学に学んだわれわれの言語におけるそれと、意味やニュアンスにおいて、きっと微妙に異なっているのだろうと思うが、その辺の事情については解説でも触れられていない。そこが重要なのではないだろうか。