紙の本
戦争報道が毎日されている今だからこそ、読みたい本である。
2003/03/26 01:07
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投稿者:あでりー - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画でご存知の方の方が多いかもしれない。回想シーンがカラーで、現実はモノクロという表現。この本ではまったく違う表現ながら、むしろリアルに感じることができた。第一部「死」そして第二部「生」と分かれているが、ジョニ−の心の動きと反比例するように事態は進行していくように思える。
意識の混濁。過去の記憶。現実を認識するまでの浮き沈み。むしろ混沌とした表現だからこそ、私たちは追体験することができる。手足を失い、顔を失い、それを認識していくときの悲しみ。その合間に挿入されるのは、恋人や家族との何気ない日常のエピソード。普段の生活がいかに貴重なものだったのか。夢からさめたジョニ−は自分の身体の変化に気づき、いったんは絶望する。
だが、ジョニーはやがて足音から看護婦の訪問を感じ取り、自分なりの時間の測り方を身につけ、外界とのつながりを懸命に求めて行く。「偉い人」を目の前にして、彼が訴えたメッセージは…ぜひラストを読んでほしい。
戦争の現実は、ひとりひとりの犠牲。戦死者○名と数で語られることの真実は、ジョニーのような、ひとりの青年が身体と精神を失うことにあるのだということをつきつけてくる本。戦争報道が毎日されている今だからこそ、読みたい本である。
紙の本
号泣してしまいました。
2002/05/09 13:21
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投稿者:ポーリィーン - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校時代、「わけが分からないから読んでみてよ」と突然クラスメイトから本書を貸し出され、わけも分からず読んでみたのですが…あまりの不条理さに号泣。映画を見てまた泣けてしまいましたが、絶望感は文章の方が圧倒的でした。貸してくれたクラスメイトに興奮しつつ内容を説明したものの、私の稚拙な話では上手く伝わらずじまい…。でも、とても暗い話なので万人に是非読んで欲しい!とはとても言えない作品です。興味のある方にはオススメします。
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戦争で両手両足目口鼻を失った男の物語。戦争の描写は殆ど無く、ただ淡々とジョニーが思い出す過去の話が中心。考えることぐらいしか出来ないのだから当たり前なのですが、当たり前だからこそ悲しい。最初から最後まで報われない話です。
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昨年の夏に読みました。読み終わったときのインパクトがとにかくすごい。悩んでいたときにふと手にした一冊だったのですが、自分の悩みなど忘れてしまうくらい衝撃的でした。また、夏が近づいたら読みます。
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戦場で爆撃に遭い、目・鼻・耳・舌・両手両足を失った青年ジョニー。外界とのコミュニケーション手段は、皮膚の触感と振動だけ。甘く美しい過去の思い出と暗澹たる現実を行き来しながら綴られる、これ以上ないくらい鋭利な反戦小説。
こうしている今もイラクや中東ではジョニー達が大量生産されている。
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これが映画化されていて、しかもモデルが実在していたことにはただただ驚きます。
文章が長ったらしい印象を受けましたが、原書はコンマのない長文だそうで。昔の作品って文章が読みにくいです。
戦争の惨たらしさはよく分かりました。だからと言って、露骨に反戦思想を押し付けられている感じはしなかったなあ。
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「What do you want?」
この問いに必死の返答を送ったジョニーの結末に感じた衝撃を忘れられません。
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戦場で砲弾にあたり、目、鼻、口、耳をそぎとられ、手足まで切断された青年ジョニー。すごく衝撃的な内容でしたが、実話が元になっているそうです。戦争ってほんとにかなしい。
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第一次世界戦争を背景にしている作品で映画化もされている。
反戦に対する気概が強く伝わってくる作品だが
本国アメリカでは発禁処分も受けるなど問題作。
この作品には
大地を揺るがす「戦車隊の蹂躙攻撃」もなければ
華麗な「航空機の空中戦」も場面もなく、
ジョン・ウェインやスタローンのように
「勇壮に敵を倒す」シーンも一切登場しない。
物語舞台は「病院のベットの上」
主人公は「重度の戦傷を負った一青年」
青年は戦場で至近に砲撃を受け、
四肢、視覚、聴覚、発声などを機能・感覚を奪われた身元不明の戦傷者。
瀕死の重傷ではあるものの
"意識"はしっかりと残っていた
青年は、僅かに上下に動く頭部、
肌の感覚を頼りに周囲との"会話"を試みる...
、、、
死者ではないが、生者でもない青年の存在。
青年の悲痛な叫び声は、
もっとも"死"に近い視座から戦争を捉え、
「恐怖感」「理不尽さ」「戦争正当化のまやかし」を強烈に訴えてくる。
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決して本の内容が悪いのではない。
反戦という点では5つ星モノなのかもしれない。
こういう本も必要だとは思う。
ただ、あまりにも悲惨すぎる・・・
読み終わってもまるで心が晴れず、
忘れる事もできず・・・。
今まで読ん本の中でもダントツで辛くなる本。
チト強烈過ぎ。。。
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戦争へ行ったジョニーが、手足も無くなり、顔面に存在する全ての感覚を失ってからのお話。
唯一感じるのが肌に触れる人の手と気温、微弱な振動のみの世界で生き続けなければならないジョニーに対する想像力が「凄まじい」の一言。
反戦小説の代表と称されているだけはあり、これを読んでると戦争の悲惨さの一部分を垣間見させられます。
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期待しすぎたか、訳が上手じゃないのでとても読みづらかった。新訳で出て欲しいと思うのだけれど・・・。ただ内容は本当に衝撃的で、反戦小説の真骨頂ではないかと思う。戦争とはこういうものなのだと心から悲しく思う。
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内容的に「楽しい」は不謹慎かもしれないのですが、一気に読みました。
反戦は反戦なのですが、内容は主人公であるジョニーが一方的に持論や過去を述べているだけです。
「戦争はいけないことだ」というよりも「何でこんな目にあってしまったんだ」みたいな。
最初に聞かされていたほど、悲惨さは感じなかったです。
(戦争そのものの描写が少なかったから?)
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圧倒された。一気に読んでしまった。
思考以外の何もかもを奪われた男の内側の視点から、こうもさまざまなメッセージをこめるとは。
そしてとてもリアル。
ここまで圧倒的な孤独、悲しみ、苦しみ、怒り、生きることの喜びを表現できるのがすごい。
これをどうやって映像化するのか。映画版もみてみたい。
70年も前の小説なんだなあ。
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戦場で負傷し、五感すべてと両腕・両足を失った男の物語。
発禁処分も受けたというが、それに値する内容。たたみかけるような文章が読んでいて辛い。
何の説明もなく新しい登場人物が出てきたり、いきなり場面が切り替わったり、場面どころかいきなり精神世界に突入したりするので、読みにくいと言えば読みにくい。ただ、それが主人公の思考を綴った物語であることに一層のリアリティと悲壮感を加えている。