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紙の本
卒業は新しい門出
2004/07/16 17:30
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:luke - この投稿者のレビュー一覧を見る
「卒業」は乱歩賞受賞1作目にあたります。高校時代からの仲間は大学生に。そして、もうすぐ卒業という時期が来た。そんなある日、女子寮で仲間の一人の女性が手首を切って死亡しているのが発見される。部屋は密室であった。自殺の動機が思い当たらない仲間たちは自殺、他殺を巡って調べ始めるのでした。そして第二の殺人が・・・。
動機を探るが何も出てこない。思い当たる事もない。友達って分かっているようで何も分かっていない事実に突き当たるのでした。まして、その仲間の中に殺人者がいるかも知れないとは・・・。親や兄弟よりも深い関係があると思っていたのに、あまりにも脆く壊れやすい人間関係に絶望するのでは、あまりに寂しい。では、どのようにすれば保てるのか、作り上げられるのか、最後のシーンで希望を持たせてくれます。子供から青年へ、青年から大人へ、卒業の階段を上がるためには、何かを捨てて来なければならないのですが、それは寂しい、悲しい事じゃないのです。卒業するたびに新しい結びつきが始まるのですから。
紙の本
センチメンタルな題名を甘く見てはいけない
2001/02/14 00:24
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:松内ききょう - この投稿者のレビュー一覧を見る
『放課後』から東野氏作品を読み始めた私としては、ある程度了承済みで氏の作品を手にするのだけれど、それにしても…。「人間が描けていないミステリは認めていない」らしい東野氏の作品のなかでも、ここまで人間を描いてしまっている作品は他に数えるほどだと思う。なぜこんなにまで描く必要があるのか。ミステリのパズル的な楽しみを全く排除するかのような姿勢に、だったらミステリとしてこれほど素晴らしいものに仕上げる必要もないのではないかと泣き言を言いたくもなる。それくらい心に後を引く作品。「なんとなく買っちゃうんだよね、内容はたぶんはずれだから後悔すると思うんだけど」という本はたくさんあるけれど、「絶対買っちゃうんだよね、内容は最高だからたぶん後悔すると思うんだけど」という作者は、私の中では東野氏だけです。ああ、この読後感…。
紙の本
卒業を控える大学生へ
2000/11/14 21:18
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投稿者:KON太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
雪月花之式(せつげつかのしき)というのが茶道の世界にあるそうで、これはちょっとしたカードゲームの様なもので、「雪」のカードに当たると菓子を食べ、「月」のカードでは茶を飲み、「花」では茶を立てるということを繰り返す遊びである。
偶然性に大きく左右されるこのゲームで殺人事件は起きる。果たしてこのゲームに必然性は存在するのか否か、焦点はそこに絞られる!──というような単純なものであるはずがない。
舞台は大学のキャンパス。剣道部にテニス部といった部活動に汗を流したり、いきつけの喫茶店でおしゃべりしたりの毎日の中で、管理の厳しい学生寮の密室性の中で第一の事件が起きる。
自殺か? 他殺か? 他殺だとしたらその動機は?
よく判っているはずの親友の心の内が、実は何も判っていなかったというとまどいが明らかになったところで、第二の事件である雪月花殺人が引き起こされる。
就職の悩み、恋の不安の中で、大学生たちは一体何を思い、どう行動するのか──。
読後、さまざまな会話の奥に事件の真相が散りばめられていて、すべてに無駄がないことに気づくだろう。そこには、作者東野圭吾の緻密なストーリー構成がうかがわれるのである。
紙の本
加賀恭一郎シリーズの第1作
2017/03/12 21:16
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投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
人気作家の東野圭吾による加賀シリーズの第一作である。このシリーズを順に読んでいるが、今のところどれも興味深く読んでいる。『私が彼を殺した』は結局のところ、解答が書かれていない。わざわざ袋綴じにしてヒントを隠してはいるが、解答はない。これは読めば分かるということなのか、後は自分で考えろと読者に訴えているのかが不明で、作家と読者の立場を明らかにしていないので、私は『どちらかが彼女を殺した』は読んでいない。
本書はすでに10作目が発表されており、時間順序を追って書かれている。当然、内容もそれ以前の作品内容の影響を受けている。できれば第1作の本作品から読み始めた方が分かりやすいし、楽しめることであろう。
10作の中には短編集もあるが、それは間奏曲のような位置づけであると私は考えている。そういう点で、東野圭吾という作家はこれだけの多作家にしては、随分と余裕のある作家だと感心している。読者との距離が近づいたり、離れたりしていると感じられるのである。間奏曲は作品集によっては効果が異なると思われるのである。
本書は加賀がまだ学生時代の設定で当、然警察官にはなっていない時代設定である。加賀の学生時代に付き合いのあった女性なども描かれており、それがその後の加賀の人生にどのような影響が出てくるのかは、描かれていない。シリーズ全てを読んだわけではないので、そこまでは不明である。
本書の推理小説としての出来栄えは、可もなく不可もなしという評価であろう。しかし、論理的な推理ができる材料は丁寧に考えられており、その手のジャンルが好きな方には十分楽しめるものであろう。学生同士の付き合いは、当然人間としては未熟なのだが、その心理状態を推し量ることはかなり困難を伴う。
現在の学生の日常生活については、過去の自分の同時代を探ってみてもあまり参考にはならないであろう。読書対象も登場人物の年齢層を考慮することも必要だと感じた次第である。
紙の本
加賀恭一郎の最初の話は、まだ彼は大学生。
2021/05/08 14:53
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
『新参者』『麒麟の翼』などの主人公・加賀恭一郎が登場するシリーズは、この作品からスタートする。この作品のファンとしては、一度最初から読んでみようと手に取った。本作では、まだ加賀恭一郎は、大学生で、大学を舞台にしている青春群像劇が展開するのが新鮮。物語としては、初期の作品らしい粗削りな感じだが、ミステリーとしてはやはり一級品。トリックや謎解きのロジックなどが興味深く。一冊を何回も読み返えす羽目になった。
紙の本
人間は所詮自分本位な生き物である
2020/10/31 17:03
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
加賀シリーズの始まりの話。学生時代の親友を巻き込んだ難事件に挑みます。自殺なのか他殺なのかスリリングな展開に一気に読了。東野作品の読ませる手腕は、掛け値無しに凄いと思いました。ただ人間不信に陥るような救いのない真相の数々に読後感は最悪でした。自分の成功のためなら、いとも簡単に親友を裏切るは、殺すは、さらに恩師は悪事に気がつきながらも犯罪の隠蔽に協力したり、水に流せと助言したり・・・。もう滅茶苦茶です。おそらく東野先生には、人間は所詮自分本位な生き物であるという諦観があるのだろうと思いました。
私は、大学卒業とともに、あの頃の親友たちとはバラバラ。独身の頃は、帰省したタイミングで皆と会ったりしていましたが、家族を持つと、もはや数人との年賀状のやりとり程度となり、濃いつきあいは自然消滅。本作品の「卒業」の意味することが、就職を機にした子供時代の仲間たちとの別れを意味するのであれば、私も同じだなあと思いました。
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加賀シリーズ第一部
2020/06/09 18:27
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投稿者:まさがき - この投稿者のレビュー一覧を見る
キャラクターの描き込みが素晴らしいです。ミステリーとして見事な構成に加えて、青春らしいセンチメンタリズムが印象的です。
紙の本
加賀恭一郎シリーズ第1の事件
2019/10/31 20:10
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投稿者:ノッポ - この投稿者のレビュー一覧を見る
トリックが巧みで面白く一気に読めました。高校時代からの友人たちの心の中は分かっていそうで分からない。最後は見事に全部がつながって「卒業」にふさわしい終わり方でした。
紙の本
人間関係
2012/10/10 18:35
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投稿者:のんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
仲間を思う気持ちと謎を解いて行く過程での気持ちの揺れ動きがドキドキする小説でした。