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トリビアの泉でも名前が出てくるアイザック・アシモフの短編ミステリ集です。雑学王アシモフの豊富な知識と幅広いジャンルへの興味を垣間見ることができます。
短編の形式は1〜5巻までほぼ同じ。ブラック・ウィドワーズというクラブのメンバーが集まり、日常おこったミステリを解き明かそうと議論が始まるのですが、結局最後に謎を解明するのは、控えめな給仕のヘンリー。いわゆる安楽椅子探偵ものです。
ちなみに私はこの小説で「指輪物語」を知りました。
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黒後家蜘蛛の会という男6人の会員は、月に一度食事会を行う。
持ち回りでホストを務め、毎回一人のゲストを呼ぶ。
そのゲストが何故かいつも何らかの謎めいた悩みを抱えており、
彼らはそれを色々と解こうとするのだが、正解を見つけだすのはいつも給仕のヘンリー。
というミステリーの短編集。
会話だけで謎を解いていく安楽椅子探偵の変形、といったところ。
特徴であり、気に入った部分でもあるのが、ほとんど人死にの謎解きがないこと。
全61話中、1、2回しかなかったと思う。
最近の謎解き漫画も、殺人ばかりじゃなくて、こういうのを書いてくれればいいのに。
ただ、会話だけで謎を提示してそれを解いていくため、
どうしても言葉遊び的なものが多くなってしまうので、そこが日本人としては辛いところ。
タネになる単語にはルビが振ってあるから、どうしてもそれが怪しいと分かっちゃうけど、
それが振ってなければラストのオチの理解が不十分なっちゃうしな。
トールキンの話なんて、途中でなんか読めたし。
本当なら原語で読めればいいんだろうけど、語学能力ないからなー。
そして、面白いのが作品ごとにあるアシモフのあとがき。
ちょっと自慢入ってるところが笑える。
特に『東は東』のあとがきは凄くて、地名ネタなんだけど、
船の中で書いたため辞典がなく、自分の記憶だけで書いたというのが驚き。
忘却障害だったって話も信憑性あるよなー。
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実は、(5)しか持ってない。
でも、綺談の前進作といってもいいような作品。
短編ではあるが、十分な推理力が必要な作品。
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アシモフの幅広い知識が窺える連作シリーズ。謎解きよりも会員たちの掛け合い漫才のような雰囲気が楽しい。
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アシモフ自身がでくわした奇怪な人間消失事件を元にした「待てど暮らせど」や、カーに挑戦せんと意気込んで書かれたシリーズ初登場の密室もの「秘伝」など、ご存じブラック・ウィドワーズの面々の侃侃諤諤、喧喧囂囂、甲論乙駁の推理合戦と、名給仕ヘンリーの快刀乱麻を断つ解決ぶりが鮮やかな好評連作ミステリ第5弾。
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黒後家の最終巻。短編集だから完結って感じもないけど。
前4巻と比べると謎がすごく薄味になってる感じ。
ヘンリーの快刀乱麻ぶりも、ちょっとそれってこじつけなんじゃ?
って思ってしまうところもあったり。
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黒後家シリーズ最終巻。
ミステリという意味ではあくまで軽く
若干ご都合主義なところもあるけれど、
そういう突っ込みは無粋なんだろうな。
単純に面白いです。
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日本語訳はこれで最終巻。
『三重の悪魔』『秘伝』が面白かった。他の作品に一部ネタかぶりがあったのはご愛嬌w
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シリーズ5作目。ついに読み終わってしまった。
今回はけっこうネタかぶりがあるな。クローバー、封筒、スパイ。
と思ったらしっかり言い訳してあった。
英語ネタについても、「翻訳者泣かせだし外国の読者にはすまないと思う」といいつつでも面白いんだもんと開き直る。
そんなこと言われたら納得しちゃうじゃないか。(わからないなりに英語ネタも面白いけど)
有栖川有栖の後書きに、傑作ってわけじゃないけどついつい読んでしまうとあった。
本編もさることながら間に挿入される(ちょくちょく自慢が入るサービス精神旺盛な)あとがきが面白い、とも。
“それはまるで、お調子者のホストが客人に、居間や客間だけでなく、屋敷中の部屋を見せて「あれはいい趣味でしょう? これも面白いでしょう? こっちのはつまらないものだけど、ちょっとした想い出があってね」とはしゃいで嬉しがっている姿を連想させます。p344-345”
そう、まさにこんな感じ。
ちなみに今回のまえがきでは、「一作目からここまで17年たっている。ということは私も3つか4つくらい年をとったのかもしれない」とか書いてる。
アシモフのあとがきには(いつもどおり)これからも死ぬまで黒後家蜘蛛は続けるよとあり、有栖川の解説にも嬉しい楽しみだと書いてあるのをみて今更ながら悲しくなってしまった。
そっかーこれ1990年出版なんだよね。
内容にも冷戦が顔を出す。
・「アリバイ」の状況がよくわからないなと思いながら読んだ。
わからないのはどうやら私がアメリカ人じゃないからだったようだ。
・使い勝手のいい言葉とか言い回しのくせが出ちゃうのはわかるんだけど、「寂として」が多用されすぎですごく気になった。
多用と言うか毎回同じシーンで同じ表現というだけだけど。
・5フィートそこそこ(5フィートは152.4cm)の夫婦は「大変に小柄」
わお…「父のしたこと」では160cmの女性を小柄小柄いってたけど。そこまで小さいのか。
・冷戦ネタはアシモフが単純な善悪二元論じゃないだけにそれでも国防だスパイだなんだってなるのが怖い。両方の意見を描いているにしても。
同様に、階級差もすごい。下層の客への過度な気遣いがいかにもすぎてリアル。
普段の「知識人」がヘンリーを呼ぶシーンは下に見ていますという表現なんだけど、鉛管工が「給仕さん」というのは下品に聞こえない不思議。
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http://shinshu.fm/MHz/67.61/archives/0000364268.html
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謎を抱えて、ミラノレストランを訪れたくなる。いつでもヘンリーとじいちゃんたちがそこにいるようで。
ラストの一作が密室ものというのが何とも。
好みは『水上の夕映え』
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あぁ、ついに読み終わってしまった。ほんとに残念だ。ずっと読んでいたい本だなぁ。リアルタイムで読めた人たちは毎回楽しみにしていたことだろう。さすが名作。つーか、今までなぜ敬遠していたのか。タイトルと巻数で引いていただけなのだ。面白かった。またいつか読もう。
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ザ・様式美!? このシリーズも第5弾、ついに最終作になってしまった。本人は、命あるかぎり書き続けると高らかに宣言していただけに名残惜しい。
ルービンの不機嫌に始まり、ゴンザロが出すきっかけに応じてヘンリーが鮮やかに、だが控えめに謎解きをするという黄金のワンパターンがここにきて完全に定着した印象。形式が決まった分、読み手も(ブラックウィドワーズのメンバーになった気分で)いっそう集中して謎解きに「参加」できるようになった。
なお、毎回密かに楽しみにしていた訳者あとがきが、この巻にかぎって有栖川有栖氏による解説に変わってしまったことだけが唯一、個人的には残念。
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黒後家蜘蛛の会の第五作、まとまった形での翻訳はこれが最後。
1972年から長い間をかけて書かれていたシリーズなので、
だんだん最近の作品になってきて、
自分が実際に知っている事件(イランアメリカ大使館人質事件など)が織り込まれているのは
不思議な気持ちになる。
自分が幼いと若いの間ぐらいの年頃に著者のSFを読み、
古いとは言わないが、大御所だと思っていることと、
そんな自分も「初老」を過ぎたこともあると思うが。
貧しい少年がお金持ちの書斎から価値ある1冊を遺産としてもらう話「三重の悪魔」、
手紙の中身だけから、差出人の住む町を推理する「水上の夕映え」
この会には珍しくブルーカラー、鉛管工のゲストが、
奥さんの大切なブルーベリー・マフィンのレシピが盗まれた話をする「秘伝」が面白かったかな。
そして、お約束だが、ブルーベリー・マフィンがむしょうに食べたい。