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紙の本

他人の頭でなく自分の頭で考えるんだ、真理は単純だ

2006/04/04 05:45

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:未来自由 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 国際的な平和運動にまで発展した「クラルテ運動」。この運動の中心的雑誌が『クラルテ』。本小説『クラルテ』はこの雑誌創刊の前年に脱稿された。
 クラルテとはフランス語で「光」または「明るさ」という意味だが、クラルテ運動などフランス語でも世界的に通用する言葉となり、本書でも『クラルテ』として出版された。
 426ページの長編だが、前半は平々凡々たる青年の恋物語を中心に、戦争前夜の人々の意識が描かれる。恋には熱中しても社会の真実など考えもしなかった主人公。肉欲の激しさを恋だと勘違いする青年。
 ドイツとの戦争が始まり、愛国心が鼓舞される中、祖国のためにと戦争に率先して出掛け、そこで戦争の真実に気づく。それまでに延々と描かれる小説に、どこが平和運動を提唱した小説なのかと疑問さえ感じるほど、悠長な展開ぶりである。
 また、前半と結末だけを読めば、愛情と肉欲について論じたくなるほど、愛情問題がひとつのテーマともなっている。このテーマにも興味があるが、ここでは人間の愛情とは何かを人の命の大切さと結びつけた興味深いものとだけ言っておきたい。
 戦場で、人の命が軽視される様を目の前で見、爆撃によって負傷した主人公に突然、真実が見えるようになる。それまでの伏線として、反戦を唱えるインターナショナル支持者の言葉が散りばめられている。
 「戦争がはじまったときに、どうしてめいめいがまっとうに考えることも、いっしょにはじまらなかったんだろう」「他人の頭ではなく、自分の頭で考えるんだ」
 自衛のための戦争を主張する者に「戦争には攻撃戦争しかない。攻撃がなければ、自衛なんてありっこねえ」
 「どうしてフランスが戦争の準備をするのを、やめさせられなかったのかえ」「やめさせるには、おれみたいな人間が少なすぎたんだ。もっと大勢いたら、戦争はおこりゃしなかった」
 「戦争は大衆のすることであるが、戦争をしているのは大衆ではない!」「指導者たちは、極秘のうちにつくりあげた既成事実を、いきなり人民の前につきつけて、『今となってはもうおそすぎる。もはや取るべき道はただひとつ、殺されるのがいやなら、殺すだけだ』という」
 そして、一部の者だけが戦争によって富を得、戦争に借り出された者には不幸が待っている。その「真実は単純」だが、それをあらゆる言葉を使ってゴマ化し複雑にしようとしている者がいる。その衣を剥がせば真実は単純なのだ。
 人々は平等なのだ。人の命は尊いのだ。「生きるための権利の平等は不可避」なのだ。だから、世界中で平和を叫ぼう。このアンリ・バルビュスの叫びは世界中に拡がった。
 訳者解説には、世界的にアンリ・バルビュス提唱の「クラルテ運動」が展開されたことが記されている。しかし、日本で『種蒔く人』や多喜二主催の雑誌『クラルテ』がこの運動に動かされたものであることは記されていない。これは残念だ。

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