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子どもの動き、様子を見て何を読み取るか、それはなかなか難しいものがあります。その子を理解すると簡単に言いますが、人間は自分のことでさえ理解できないことがいっぱいあるように思います。
この本を読んでいると、常に前向きに、子どもに寄り添って理解していこうとする筆者の強い意志を感じます。それはとても優しい目で、読む者の心をつかみます。
もちろん、多くの教育に携わる人間は、筆者と同じように心がけて日々生活しているわけですが、実際には、そう思えない瞬間も多々あるのが現実です。
p.11 いつの間にか子どもの同行者となって、人生の旅を歩むこととなった。子どもとともに歩む旅には、おもしろいこと、不思議なことが沢山ある。ただおとながあまり忙しかったり、一方的な目的意識でいっぱいのときには、その不思議さにふれることは出来ない。相手の心の世界を大切に思うとき、子どもの心にふれることが出来る。何をおもしろいと感ずるかは、「受け取るおとなの側のことであるが、おもしろいと受けとられたところから、子どもの日々はふくらみ、心も豊かになることだろう。
このあたりに、筆者のスタンスがよくあらわれています。