紙の本
収録作品「変種第二号」
2003/01/10 01:37
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投稿者:kokusuda - この投稿者のレビュー一覧を見る
収録作品のなかでは、これがディックらしい作品だと感じました。
ストーリーは
最終戦争の末期、西側陣営はロボット兵器を投入する。
自動化された工場で次々と量産されるロボット兵器。
そのロボット兵器が自己進化を始めたとき生き残った人類を新たな脅威が襲う。
恐怖は人間の姿で増殖する。
短編なので詳しくストーリーを説明できないのですが、この作品を読んだ時に
ターミネーターやスターウオーズと思わず比較してしまいました。
戦争の悲惨さやそこで生き抜く人間のたくましさ、それに対するロボット兵器の
無機質な行動、ディック氏の世界にどっぷり入り込んでしまいます。
その後、映画になりましたが日本ではヒットしませんでした。
ピーター・ウェラー(ロボコップさん!)主演で良い映画だったんですが…
友枝康子さんの訳で収録されています。
映画はクリスチャン・デュゲイ監督『スクリーマーズ / Screamers 』(1996)
ちなみに同年のSF映画には「インデペンス・デイ」「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」
などがあります。
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とにかく面白い。実存SFをひたすらやり続けたストイックさに惚れる。ふと「一番好きな小説家」を選ぼうと考えるとディックをチョイスしてしまうことがある。長編は全く読んでないので我ながら早計だと思う。
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2009/
2009/
寺山修司の不思議図書館より。
コニー・コンパニオンの悲劇は、ただのロボットの悲劇ではない。ここでは、ロボットが「囚われた人間」の暗喩であることが、あきらかである。
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最近のマイブームがSFということでFKディックの短編集。
こちらも、ほぼ10年ぶりか。
ある程度かちっとしたストーリー展開でオチにびっくりな短編よりは、不条理な展開をみせる摩訶不思議な世界観の短編のほうが好み。
この短編集の中じゃ、やっぱりベストは表題作「パーキーパットの日々」だろうな。
設定が浮世離れしているのに、背景描写や人物の感情表現が妙にリアルで、読めば読むほど寓話的で凄い印象に残る。
短編集SFってどうしても「オチにびっくり!!」なストーリー展開を求めてしまう人も多いと思うけれど、こういったとらえどころが無いけれど深く印象に残り、何故か!?人類の普遍的テーマを垣間見るような気分にさせる世界観を作り上げる手腕が、この人の凄いところだと思う。
そういう意味では、他に「ウーブ身重く横たわる」「消耗員」「たそがれの朝食」が面白かった。
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ディックが神林に影響を与えたって言うのはよくわかる。舞台装置、背景がかなり神林に似ている。が、神林の初期作品だろう。火星3部作は近いものがあった。で、本作であるがなんとも言えない暗さがある小説である。全て明るい世界ではない。まえがきにもあったが、こんな世界にはなってほしくないと思うものである。
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ディック傑作集驪
まさしく傑作集である。一気に読みきった。一部重複作品(後述)があるものの、「変種第二号」「植民地」などはまさにSFミステリータッチで最高だし、SF映画の原作である「報酬」「にせもの」も収録されている。「たそがれの朝食」も描写が豊かですばらしい。
表題作品はイマイチ理解に苦しむところであるが、ディックはやはりすばらしいと感じざるを得ない。
作品は以下の通り。
・ウーブ身重く横たわる
食用宇宙豚が食べられた船長をのっとる(重複収録)
・ルーグ
異星人が来たってな感じだが、イマイチ
・変種第二号
人工物が人間に化けているという得意のタッチ
・報酬
映画ペイチェックの原作だが映画のほうがいい
・にせもの
映画クローンの原作だが映画のほうがはるかにいい
・植民地
異星で未知の生物が無機物に擬態して人類を襲う
・消耗員
たった一人の人類と蟻との戦い
・パーキー・パットの日々
絶滅寸前の人類が人形ごっこ・・・だが意味不明
・たそがれの朝食
漂流教室の家族版(重複収録)
・フォスター、おまえ、死んでいるところだぞ
シェルター好き?なこどものお話だが・・・?
なお、「重複掲載」はタイトルこそ違えど、4/15投稿分「地図のない町」で収録されているものと同じ作品である。タイトルはそれぞれ「ウーブ身重く横たわる」は「輪廻の豚」、「たそがれの朝食」は「薄明の朝食」と訳されている。
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収録作
フィリップ・K・ディックの現実 ジョン・ブラナー/著
ウーブ身重く横たわる
ルーグ
変種第二号
報酬
にせもの
植民地
消耗員
パーキー・パットの日々
たそがれの朝食
フォスター、おまえ、死んでるところだぞ
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表題作が好き。あと「ウーブ」はやはり良い。ディック短編集は出過ぎてどれに何が入っているかわからなくなってしまう。
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ディックの短編集1 この暗さがいいと思います
表紙 8点野中 昇
展開 7点1977年著作
文章 7点
内容 770点
合計 792点
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2018年4月19日読了。荒廃した近未来で奇妙な「ゲーム」に勤しむ人々の姿を描く表題作ほか、アイデア・サスペンスともに脂の乗り切ったように見えるディックのSF短編集。おすすめ本を妻に紹介するプロジェクトとして図書館から借りてきたが自分がはまって再読してしまった。傑作ぞろいの短編集、「変種第二号」の映画がつまらなかったのは残念でならない。(ペイチェック、はそこそこだったか)私がはまったのは高校の頃だったが家族を持つ身になってみると「フォスター、お前死んでるところだぞ」の短編などに見られる苦さ、セールスマン経験からくるディックの経済感、少年と大人の視点の違い(改めて、ディックは少年の視点を書くのがうまい、と感じた)などグッとくるところも多かった。他の短編集も再読しよう…。