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紙の本
今回は、収録全作品に評価をつけてみました。浮かび上がるのは、村上作品の良し悪しではなく我が身の感性、うう、コワ・・・
2008/07/31 20:02
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
思いついて読み始めた村上春樹全作品集。とはいえ長編には興味がなくて、私の心を惹くのは読んでこなかった、というか読んでも殆ど内容を忘れている短篇ということになります。ただしこの巻、あまりに収録作品数が多いので、全作紹介を断念しました。ま、村上春樹の短篇の場合(ただし、この全集に納められている作品を村上は短篇小説とは考えていないようですが)、筋を紹介することに意味があるのかは疑問ということもあります。
そこで各話の頭に、私なりの◎○△×(大好き、好き、フツー、嫌い)と、初出、キーワードを書いてみることにしました。自分でこうやって○×をつけると、好みというか興味のありどころがはっきりして、案外面白かったかななんて思っています。目次に従って紹介します。
○カンガルー日和 (「トレフル」1981年10月号):動物園とカンガルー
○四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて (「トレフル」1981年7月号):原宿と出会い
×眠い (「トレフル」1981年8月号):結婚式と眠気
○タクシーに乗った吸血鬼 (「トレフル」1981年12月号):タクシーと吸血鬼
×彼女の町と、彼女の緬羊 (「トレフル」1982年1月号):札幌と神戸
◎あしか祭り (「トレフル」1982年3月号):あしかと象徴的援助
△鏡 (「トレフル」1983年2月号):夜と鏡
×1963・1982年のイパネマ娘 (「トレフル」1982年4月号):高校時代とレコード
◎窓 (「トレフル」1982年5月号):ハンバーグと添削指導
(原題『バート・バカラックはお好き?』)
×五月の海岸線 (「トレフル」1981年4月号):結婚式と古い街
×駄目になった王国 (「トレフル」1982年12月号):プールとカップル
△32歳のデイトリッパー (「トレフル」1981年11月号):32歳と18歳
◎とんがり焼の盛衰 (「トレフル」1983年3月号):コンテストととんがり鴉
△チーズ・ケーキのような形をした僕の貧乏 (「トレフル」1983年1月号):三角地帯と住宅
○スパゲティーの年に (「トレフル」1981年5月号):独身とスパゲティ
×かいつぶり (「トレフル」1981年9月号):面接と暗号
△サウスベイ・ストラット (「トレフル」1982年2月号):カリフォルニアと私立探偵
――ドゥービー・ブラザース「サウスベイ・ストラット」のためのBGM
○図書館奇譚 (「トレフル」1982年6月号~11月号):老人と羊男
――以上『カンガルー日和』(1983年 平凡社刊)所収
◎あしか (「トレフル」1981年10月号):あしかと孤独
◎月刊「あしか文芸」 (「トレフル」1981年10月号):あしかと家族
×書斎奇譚 (「トレフル」1981年10月号):作家と編集者
◎おだまき酒の夜 (「トレフル」1981年10月号):忘れ物とおだまき
(『三角砂糖』1986年 講談社刊)
×はじめに・回転木馬のデッド・ヒート (『回転木馬のデッド・ヒート』1985年 講談社刊):小説とスケッチ
△レーダーホーゼン (『回転木馬のデッド・ヒート』):半ズボンと離婚
△タクシーに乗った男 (「IN・POCKET」1984年2月号):画商と俳優
×プールサイド (「IN・POCKET」1983年10月号):35歳とプール
◎今は亡き王女のための (「IN・POCKET」1984年4月号):美女と攻撃
△嘔吐1979 (「IN・POCKET」1984年10月号):吐き気と電話
○雨やどり (「IN・POCKET」1983年12月号):お金と性交
×野球場 (「IN・POCKET」1984年6月号):銀行員と小説
○ハンティング・ナイフ (「IN・POCKET」1984年12月号):海と車椅子
――以上『回転木馬のデッド・ヒート』所収
◎沈黙 (書き下ろし):ボクシングとイジメ
ふむふむ、要するに動物が人間みたいに振る舞う、ある意味ファンタジックな物語が好きなわけね。それと奇妙な味。「トレフル」っていう雑誌の存在は知りませんでしたが、掲載数が多いせいか好みの作品が沢山あります。なかでも「あしか」と「おだまき」ですね。「とんがり焼き」もいいです。このまま上品なアニメにしたい。
それとマジなお話。たとえば「窓」と「ボクシングとイジメ」。問題点が共有できるリアルな面をもったものはOK。中途半端は好みじゃない。他人事みたいですが、採点表から浮かび上がるのは村上文学ではなく、読者の個性。まさに読書の本質。たまにはこういうアプローチもありかな、なんて自画自賛して・・・
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